
サインツ、ピアストリへの罰則は「容認できない」不可解裁定続出でガイドライン見直し要求
カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、前戦F1サンパウロGPでオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に科された「容認できない」ペナルティをめぐり、F1ドライビング標準ガイドラインの即時見直しを求めた。
ラスベガスで行われたメディアデーで、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の理事を務めるサインツは、ブラジルで10秒ペナルティを受けたピアストリを擁護する姿勢を鮮明にした。
問題となったのは、ピアストリがアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)と接触し、その弾みでアントネッリのマシンがシャルル・ルクレール(フェラーリ)へ突っ込んだ一件だ。
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インテルラゴス・サーキットのターン1で接触するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)そして巻き込まれたシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年11月9日(日) F1サンパウロGP決勝(インテルラゴス・サーキット)
スチュワードは、ピアストリとアントネッリの位置関係に焦点を当て、接触の「全責任」はピアストリにあると判断した。これはガイドラインに基づく裁定だが、その運用は杓子定規な解釈をめぐり、以前から議論の火種になってきた。
この接触でリタイアを余儀なくされた当事者のルクレールですらピアストリを擁護しており、サインツはガイドラインの早急な見直しを訴えている。
英専門誌『Autosport』によるとサインツは、「緊急の立て直しと解決が必要だと思う。ブラジルでオスカーがペナルティを受けた事実は、僕にとって受け入れ難い。僕らが走っているカテゴリーは、モータースポーツの最高峰であるはずだ」とサインツは語った。
「レースを見た人なら分かるように、あれは全く以てオスカーの責任じゃない。レーシングカーでレースをしたことのある人間なら、あそこで彼にできる回避策なんて存在しなかったと分かるはずだ」
積み重なる裁定への疑念
この件は、今年のガイドライン運用に対するサインツのフラストレーションを一段と高めるものとなった。
サインツ自身もオランダGPでリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)との接触によりペナルティを科され、後にウィリアムズが再審請求権を行使して覆された経緯がある。
さらに、その1週間後のイタリアGPでは自身とオリバー・ベアマン(ハース)が接触。ベアマンにペナルティが科された件にも疑問を呈する。
「僕には理解できない。ザントフォールトで僕にペナルティが科されたのも理解できなかったし、モンツァで僕と接触したオリー(ベアマン)が罰せられた理由も分からなかった」とサインツは語る。
「今年は、そうした“あるべき姿から程遠い裁定”が一度ではなく、何度もあった」
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モンツァ・サーキットのターン4で接触したカルロス・サインツ(ウィリアムズ)とオリバー・ベアマン(ハース)、2025年9月7日(日) F1イタリアGP決勝
ドライバーたちは、次戦カタールGPで国際自動車連盟(FIA)と会合を持ち、ドライビング標準ガイドラインを含むさまざまな論点について協議する予定だ。
焦点の一つは、ガイドラインを厳格なルールとして扱うべきか、それともスチュワードにより大きな裁量を与えるべきかという点にある。
「判断するのは難しい。ガイドラインそのものの書き方が問題だとも言えるし、スチュワードはガイドラインをできる限り厳密に適用しようとしているだけとも言える」とサインツは語る。
「ガイドラインはあくまで指針であって白黒つけるものじゃない、という議論もある。何が正解かは分からないけど、ブラジルの件で明らかになったのは、“何かがうまく機能していない”ということだ」
一方、ウィリアムズのチームメイトであるアレックス・アルボンは、FIAとドライバーが単一の解決策に合意する可能性について悲観的だ。
常設スチュワードによる「感覚の共有」
サインツは改めて「常設スチュワード」の導入を求める。ガイドラインがなくても、固定化されたメンバーであれば、どういった場面でどういったペナルティが適用されるかという“感覚”が、自然と共有されると考えている。
「レースを深く理解した良いスチュワードが一貫して担当すれば、僕らの間にも共通理解が育つ。自分が悪いときも分かるし、他人の責任かどうかも分かるようになるはずだ」とサインツは語る。
「レースディレクターが固定されているように、スチュワードも3人固定にすれば、彼らが長年どう裁定してきたかという一種の“マッスルメモリー(身体感覚)”が形成される。そうなればガイドラインがなくても、誰の過失か、あるいは単なるレーシングインシデントなのかを判断できるようになると思うんだ」