F1サンパウロGP:指定タイム超過で角田裕毅とノリスに戒告処分、接触のアロンソとオコンは不問

グリッド上でレースに向けて準備をする角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年11月4日(土) F1ブラジルGPスプリント(インテルラゴス・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

11月4日(土)のF1サンパウロGPシュートアウトを経て、ランド・ノリス(マクラーレン)と角田裕毅(アルファタウリ)を含む4名がスチュワードに召喚された。この内、角田裕毅とノリスに戒告処分が下された。

アロンソとオコンの接触事故

フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とエステバン・オコン(アルピーヌ)はシュートアウトで発生したターン3での接触事故の件で現地12時25分より聴取を受けた。

SQ1でオコンは計測ラップのターン2でオーバーステアに見舞われ、右前方アウト側を低速走行をしていた昨年までのチームメイト、アロンソの左フロントと接触。そのままバリアに衝突した。

これにより赤旗が振られ、SQ1は残り33秒でセッション終了となった。オコンの31号車アルピーヌA523は見るも無惨な姿に成り果てた。

アロンソは接触前のタイムでSQ2進出を果たしたが、事故によってこちらも足回りにダメージを負った。アストンはSQ2終了までに修復作業を終える事ができず、アロンソはミドルラウンドでノータイム15番手に終わった。

事故へと至った状況についてヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団は、アロンソはオコンに進路を譲るためにレーシングラインを離れたものの、オコンがターン3でマシンバランスを崩して出口で膨らんだ際、レーシングライン方向に向きを変えた事でオコンのためのスペースが狭まったと指摘した。

そして、オコンが挙動を乱した事と、オコンのスペースが若干狭まった事の「2つの要素が組み合わせって衝突が発生した」として、「全面的に、または主に責任を負うべきドライバーはいない」と結論づけた。

指定タイム超過で角田裕毅に戒告

不必要な低速走行による他車への妨害を予防するため、F1レースディレクターを務めるニールス・ヴィティヒはFP1を経て、予選、シュートアウト、レコノサンス・ラップを対象として1分14秒0の指定タイムを設定した。

シュートアウト中に指定タイムより遅く周回したとしてレースコントロールは、オスカー・ピアストリ、ジョージ・ラッセル、エステバン・オコン、そして角田裕毅とランド・ノリスがセッション後に調査されるとアナウンスした。この内、角田裕毅とノリスが召喚された。

ピアストリ、ラッセル、オコンに関しては、他車の妨害とならないよう「適切な行動」を取った結果であるとしてスチュワードは「不必要に低速で走行」してはいないと結論づけ、お咎めなしとした。

タイムを超過したラップで角田裕毅はノリスの前方を走行していた。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)が目の前でピットからコースに入ってきた事で角田裕毅は減速を強いられた。その結果として更にその後方にいたノリスも対処を余儀なくされた。

スチュワードによると2人のドライバーは共に、デルタタイムを超過するか、あるいは前走車両を追い越すかを決定しなければならず、それによって他車を妨害するリスクがあったと説明した。

スチュワードは、両者が他車の邪魔にならないよう「合理的な努力」をしたと認めたが、各々のラップが他車のフライングラップによる影響を受けなかった点を指摘して「デルタタイムをより良い方法で管理するためにもっとできることがあった」と結論づけ、両者を戒告処分とした。

シーズン中に戒告処分を5回受けると10グリッド降格ペナルティが科される。ただし戒告処分5回の内の4回がドライビングに関する違反であった場合に限られる。

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