レッドブルF1「旧体制」の完全終焉へ。ヘルムート・マルコ、退任決定との報道…在籍20年の重鎮

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ひとつの時代が、音を立てて終わろうとしている。イギリスの衛星テレビ局『Sky Sports』や有力紙『Telegraph』は、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、20年間にわたって貢献してきた同社を今シーズン限りで去る見通しであると報じた。

コンサルタント兼レッドブル・レーシングの取締役として、2005年のF1参戦当初からチームの屋台骨を支え、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンらを見出し、角田裕毅をF1に導いた”若手育成の鬼”は、82歳にしてパドックを去ることになりそうだ。

ミンツラフCEO主導の「組織刷新」

この動きは、レッドブルGmbHの企業プロジェクト・新規投資部門CEOを務めるオリバー・ミンツラフが主導する組織再編の一環と見られている。

ミンツラフはF1チームの抜本的な刷新を熱望しているとされ、今夏には、参戦当初からマルコと共にチームを支えてきたクリスチャン・ホーナー元代表が解任されるという激震が走ったばかりだ。

アブダビGP終了後、マルコは自身の去就について「(自身のチーム内における立場について)疑いの余地はないが、話し合いを持つことになる。その上でどうするかを決めるつもりだ」と言葉を濁したが、パドック内の情報筋によれば、決定が下されたという。現時点でチームからの公式発表はない。

退任の背景は明らかになっていない。ただ、マルコの高齢化に加え、先月のカタールGPではマルコの発言が一端となり、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に対し、SNS上で殺害予告を含む深刻な誹謗中傷が殺到する事態が発生した。

激動のシーズンを終え、チーム代表のローラン・メキーズは、アブダビGP後に次のように語り、功労者への感謝と組織変更の必然性を強調していた。

「ヘルムートは今年、我々が状況を好転させるのを助けるために信じられないほど貢献してくれた。当然、彼とトップマネジメントは今年、いくつかの難しい決断を下さなければならなかった」

「我々は皆、F1が静的な環境ではないことを知っている。組織は常に調整されるものだ。技術面でも競技面でも、組織は常に調整し続けるものだ」

フェルスタッペンへの影響

マルコは、フェルスタッペンにとって「第2の父」とも呼べる存在だ。4度のF1ワールドチャンピオンに輝くチームの絶対的エースはかつて、チーム内に権力闘争が勃発した際、「マルコが去るなら自分も去る」と公言してはばからなかった。

だが、今回の離脱がフェルスタッペンの去就に直結することはないと見られている。

フェルスタッペンは今季、ランド・ノリス(マクラーレン)と歴史的な激闘を演じ、わずか2ポイント差でタイトルを逃した。彼にとって現時点の最優先事項は、2026年から導入される新レギュレーション下で、レッドブルが再び勝てるマシンを用意できるかどうかだ。

2026年、新たなエンジン・シャシー規定と共にF1は新時代を迎える。その時、ピットウォールにホーナーの姿はなく、ガレージ裏にマルコの姿もない。レッドブル・レーシングは今、完全に新しいチームへと生まれ変わろうとしている。

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