カルロス・サインツ、無慈悲なルール適用に”不信感”…好走で高揚感も10グリッド降格で一転

ガレージ内に立つカルロス・サインツ(フェラーリ)、2023年11月17日F1ラスベガスGPCourtesy Of Ferrari S.p.A.

自身にもチームにも非がない不運な事故により10グリッド降格ペナルティを科せられる事になったカルロス・サインツ(フェラーリ)は、ルールの適用に対する「不信感」を口にした。

サインツはF1ラスベガスGPの1回目のフリー走行でマンホールの蓋と衝突。シャシーのみならずパワーユニットに大きなダメージを負った。恐ろしい事にマンホールの蓋はフロアを突き破ってシートにまで達していた。

完全な不可抗力による事故であったため、フェラーリはペナルティなしにES(バッテリー)を交換できるよう競技規定の適用除外を求めたが、デレク・ワーウィックら4名の競技審判団は「極めて異常な外部状況」により事故が発生したと認めつつも、免除規定がない以上、ペナルティを逃れる道はないと結論づけた。

排水設備の点検と修理のためにスケジュールが2時間半遅れとなった事でフェラーリはセッション開始までにクルマを修復。当初は出走不可能としていたFP2開始と同時にサインツをコースへと送り出した。

事故について振り返ったサインツは、衝突によって「背中と首にかなり大きな衝撃を受けた」と明かし、クルマの修復に尽力したチームを「英雄的」と称えた。

サインツは精力的に周回を重ね、チームメイトのシャルル・ルクレールに次ぐ2番手タイムを刻んだ。これはサインツに高揚感をもたらしたが、その後、無慈悲なグリッド降格裁定が下された。

「今週末の僕らに比較的高い競争力がある事は明らかだ。コースレイアウトは過去数戦と比べて僕らのクルマ向きだし、1ラップ走行ではタイヤを上手く機能させる事ができている。だからかなり興奮したし、楽観的だった」とサインツは語る。

「でも残念な事にセッションが終わってチームから10グリッド降格ペナルティを受けると告げられた。僕にもチームにも何の落ち度もないのに」

「マインドセットや週末に対する考え方がスッカリ変わってしまった。僕が如何に失望し、不信感を募らせていることか。ハッキリとイメージできるでしょ。今週末の僕がハッピーな気分になる事はないだろうね」

仮に予選で最速を刻んだとしても、サインツは土曜深夜のレースを11番手からスタートしなければならない。

「(レースで追い抜ける)チャンスはあるだろうけど、今はただただガッカリだ。先のことについてはあまり話したくない。だって今日の一件は、このスポーツが如何に多くの点で改善の余地があるのかを示す本当に明確な例だったわけだからね」とサインツは続ける。

「不可抗力という事でペナルティなしに適用できるルールである事は明らかなのに、どういうわけか人々はいつだって、個人の状況を悪化させる何らかの方法を見つけてくる。そして今回は僕がその代償を支払う事になったんだ」


2023年F1ラスベガスGPフリー走行2でトップに立ったのはシャルル・ルクレール。コンマ5秒遅れでカルロス・サインツが2番手に続き、フェラーリが速さを見せた。3番手にはフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が続いた。

3回目のフリー走行は現地11月17日(金)20時30分から、公式予選は同24時から1時間に渡ってラスベガス市街地コースで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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