ホンダ新エンジンの振動問題 未だ解決せず…ガスリーは日本グランプリ決勝を無事完走できるだろうか?
ロシアGPで明らかとなったスペック3のバイブレーション問題はまだ完全には解決していないようだ。ピエール・ガスリーは6日のF1日本グランプリ公式予選を終えて、ギアチェンジの際の振動を最小限に抑えるために、パワーユニットの出力を下げて予選に臨んでいた事を明らかにした。
ガスリーは予選前最後のフリー走行でエンジンマッピングが一因と思われる振動の問題に見舞われ走行僅か10周。セッションの大部分をガレージ内で過ごすことを強いられた。これに対処すべくホンダは、PUパワーを抑えることで一時的に問題の収束を図った。
「ギヤのシフトアップの際にかなりの振動が出てたから、出力をかなり下げてたんだ」とガスリー。「ブレンドンと同じようにエンジンをガンガン使う事は出来なかったから、その点はちょっと残念だった」
「予選の自己ベストのラップでさえコンマ2・3秒ロスしてたんだ。グロージャンとのギャップがその位だったから、(エンジンを全開で使えれば)5番手も可能だったと思うよ」
6番手を記録したブレンドン・ハートレーのマシンには同様の問題が発生していないようで、ガスリーのみがパワーユニットの性能をフルに発揮できない状態で予選に挑む事となった。
「正直に言って、今週末は僕にとって感情の浮き沈みが激しかったよ。FP1は凄く良くて、きっと最高の週末になるだろうなって思ってたのに、FP2では何だか流れが悪いぞって感じになってしまい、FP3でもそれは解決せず、予選に向けてちゃんと準備が出来なかったからね」
「でも最後は、チームが見事なタイミングで予選をオペレーションしてくれたから大きなチャンスを掴む事が出来たんだ。ホンダと一緒に鈴鹿で上手くやる事ができれば最高にスペシャルだと思う。だから明日も集中力を切らさず全力を尽くすよ」
予選では最悪の自体を免れたものの、この状態で53周の決勝レースを無事に完走できるのだろうか?何れにせよ出力を抑える事は対処療法に過ぎず、問題が根本的に解決したわけではない。今回の振動の問題がロシアで発生したものと同種のものだとすると、ホンダは依然として発生原因を正確に特定できていない事になる。原因の分からない問題は永遠に解決しない。
予選を終えた田辺豊治テクニカルディレクターは、この問題に対処すべく決勝に向けて対応策を検討するとコメント。ガスリーが無事にフィニッシュラインを通過する事を祈りたい。