角田裕毅「スーパーマンがピット作業をしてくれたのかと!」RBを絶賛、驚異のタイヤ交換で念願の母国初入賞
3回目の挑戦にして初めて母国F1日本GPでポイントフィニッシュを果たした角田裕毅(RBフォーミュラ1)は、リザルトを決定づけた見事なピットストップ作業を担当したピットクルーの仕事を絶賛すると共に、心からの感謝の気持ちを表した。
遂に迎えた史上初の鈴鹿春開催。前日の予選で3戦連続のQ3進出を達成した角田裕毅は10番グリッドからレースに臨んだ。
スタートタイヤの違いや戦略によってポジションを失う厳しい序盤を強いられたが、ピットクルーの見事なタイヤ交換作業によって一気に3台のライバルを抜き去りポイント圏内に復帰すると、チェッカーに向けてはタイヤを含めてレースをマネジメントし、前戦に続く入賞を果たした。
「大げさに聞こえるかもしれませんが、10位という結果でさえ僕にとっては優勝したように感じられますし、本当に特別な気分です。チームに心から賛辞を贈りたいと思います」
「本当に素早いピットストップのおかげで、アストンの前でコースに戻る事ができました。彼らの仕事がなければ今日はポイントを獲得できなかったと思います」
「もちろん、週末を通してずっと僕を支えてくれた日本のファンにも感謝しています。みなさんから頂いたエネルギーは、間違いなく特別なものでした」
結果的にはミッドフィールダーにとっての優勝とも呼ぶべき10位を手にしたが、序盤は劣勢に置かれていた。
ミディアムをスタートタイヤに選んだ角田裕毅は蹴り出しが悪く、ソフトタイヤを履くバルテリ・ボッタス(ザウバー)とニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)にいきなりポジションを奪われた。
僚友ダニエル・リカルドとアレックス・アルボン(ウィリアムズ)の接触による赤旗中断を経ては、追い抜きを許したヒュルケンベルグ、ボッタスと共にソフトタイヤをチョイスした。
ヒュルケンベルグが大きく出遅れ後方に沈んだ事で角田裕毅はリスタート直後にポジションを一つ上げたが、5周目のストレートでジョージ・ラッセル(メルセデス)にオーバーテイクを許して後退した。
角田裕毅にとっては早々にピットストップを行って最後尾でコースに戻り、クリーンエアーを受けペースを上げる事が重要であったが、先に動いたのは後方のボッタスだった。
ザウバーのピットウォールは7周目にピットインを指示。ハードタイヤを履かせた。課題のタイヤ交換に伴う静止時間は4秒とまずまずで、RBは翌周に反応したもののアンダーカットを防ぐことはできず、角田裕毅はボッタスに対してポジションを失った。
レース序盤の展開について角田裕毅は「スタートは苦戦しました。後方の2台がソフトだった一方、僕らはミディアムを履いていたためポジションを失い、少しガッカリしました」と振り返った。
「ただ同時に、ソフトタイヤを履いた後のリスタートで、失った2つのポジションを取り戻したいと考えていました。そこに関しては上手くやれたと思います」
「リスタート後はペースも良く、良い気分で走れていたのですが、ピットストップで少しポジションを失ってしまいました」
母国初入賞の決め手となったのは23周目の2回目のピットストップだった。10位入賞の1ポイントを争うマグヌッセン、ボッタス、サージェント、そして角田裕毅が一斉にピットレーンになだれ込んだ。
RBはそれまで前を走行していた3台のライバルに先行して角田裕毅をコースに送り出し、戦略による後手をピット作業によって挽回した。
11番手でコースに復帰した角田裕毅は34周目、戦略違いのヒュルケンベルグをS字で豪快に抜き去り、自力でポイント圏内10番手に浮上した。
2回目のピットストップについて角田裕毅は「チームがスーパーヒーローのような仕事をしてくれました。スーパーマンがピットストップ作業をしているかのような感じでしたね!」と笑顔を見せた。
S字でのオーバーテイクについては「今週末はストレートライン速度があまり良くなく、ライバルに対して唯一、勝っていたのがセクター1だったので、アウト側からのオーバーテイクにはかなり自信がありました」と付け加えた。
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上海インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦中国GPは4月19日のフリー走行1で幕を開ける。