F1モナコGP:角田裕毅に異例の警告、制限速度大幅超過…アルファタウリには満額罰金
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1985年のインディ500ウィナー、ダニー・サリバンを含むF1モナコGPのスチュワードは5月26日(金)のFP2を経て、ピットレーンの制限速度を大幅に超過した角田裕毅(アルファタウリ)に異例の警告を与えた。
モンテカルロ市街地コースのピットレーン速度は60km/hに制限されているが、角田裕毅はセッション終盤にトンネル出口のヌーベル・シケインで左フロントを破損した後、ガレージに戻る際、16.2km/hオーバーの76.2km/hで走行した。
これはピットレーンの速度制限を定めたFIA-F1競技規定第34.7条違反に該当する。通例通り、当事者からの聴取ならびに映像・テレメトリーの調査を経てスチュワードは、所属先のスクーデリア・アルファタウリに1,000ユーロ(約15万円)の罰金を科す決定を下した。これはルールで定められた速度制限違反の罰金としては満額にあたる。
だが4名の競技審判団はこれと合わせて、角田裕毅個人に警告を与えるという異例の措置を取った。
一件についてスチュワードは「クルマはターン11でバリアに衝突してピットに入るところだった。クルマの損傷の程度が不明であるにも関わらず、ピットレーンで16km/h以上のスピードを出すことは潜在的な危険が懸念される」と説明した。
「ドライバーはピットスピード・リミッターを作動させなかったことを認め、この状況がもたらし得る危険性について理解した。スチュワードは罰金を科すと共に、警告を発した」
角田裕毅は昨年のF1イタリアGPで10グリッド降格ペナルティを受けた。これは累計5回の戒告処分によるものだが、戒告とは異なり警告は累積という概念がなく、ペナルティが科される事はない。
なおジョージ・ラッセル(メルセデス)もFP2でピットレーンの速度制限違反を犯し、チームに100ユーロの罰金が科されたが、こちらは0.2kmという僅かなスピードオーバーだった。