フェルスタッペンの”卸したて”F1エンジン、再利用不可の損傷で早期ペナルティの危機か
F1カナダGPで発生したトラブルにより、卸したての3基目ICE(内燃エンジン)が再利用できない損傷を負った可能性があるとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が降格ペナルティの危機に直面していると報じられている。
ジル・ビルヌーブ・サーキットで行われた2回目のプラクティスでフェルスタッペンは、開始30分を前に煙を上げながらガレージにクルマを戻すと、僅か4周でセッションを終えた。
当初はエネルギー回生システム(ERS)絡みのトラブルと見られていたが、パワーユニット(PU)全体、特にICEに広範なダメージが及んだ可能性があると懸念されており、問題の個体は栃木県のHRC Sakuraに送られ、現在もホンダの技術者が分析に取り組んでいると見られている。
英AUTOSPORTは「カナダのユニットが日本に到着してから2週間以上が経つが、今のところ明るいニュースはなく、内燃エンジンを存続させるのはますます難しくなっているようだ。もし初期試験で問題が確認されなかったのであれば、ほぼ間違いなく、これまでの間にレッドブルに返却されていたことだろう」と伝えた。
フェルスタッペンにとって手痛いのは、問題が発生した個体が、その日開封した新品だったということだ。
シーズン16戦を残してホンダRBPT全車はモントリオールでのFP1に向け、PUの主要コンポーネントを全て交換。今季3基目を搭載したばかりだった。24戦で争われる2024年シーズンは上限基数が4基に設定されているため、単純計算で言えば、卸したてのエンジンの致命的な損傷は6戦分の損失を意味する。
ホンダによる分析調査が続けられる中、レッドブルは先日のスペインGPでフェルスタッペンに今季4基目のPUを導入せざるを得なかった。
仮に問題の個体が二度と使用できないと判断された場合、フェルスタッペンは早々と5基目の開封を強いられ、グリッド降格ペナルティを受けることになる。
なおピエール・ガスリー(アルピーヌ)もスペインで今季4基目のICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kを開封しており、この先のシーズンの何処かでペナルティを受けるのは避けられない状況だ。