トロロッソ・ホンダのアレックス・アルボンがドライブするSTR14のリア、2019年F1アゼルバイジャンGP
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入賞逃したトロロッソ・ホンダ「戦略面でのミス」認める / F1アゼルバイジャンGP《決勝》

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ダブル入賞を目標にバクー市街地コースでのレースに臨んだトロロッソ・ホンダであったが、それに足るパフォーマンスがありつつも、タイヤ戦略の失策と”旧メンバー”の失態によってノーポイントゲームに終わる事となった。

ダニール・クビアトは、かつてトロロッソでデビューを果たしたダニエル・リカルド(ルノー)と絡む不遇なアクシデントに見舞われた。トップ10を争っていた32周目、後続のリカルドがタイヤをロックアップさせ、コーナーを曲がり切れずにランオフエリアに逃れた。アウト側にいたクビアトは為す術なく、同じようにエスケープへと進入した。

急ぎコースに戻ろうとしたリカルドは、バックギアに入れて後退する際に、誤ってクビアトの左フロアに激突。両マシンはダメージを負い、二人共がリタイヤを強いられた。一件は審議の対象となり、リカルドへの次戦3グリッド降格及びペナルティポイント2点の裁定が下った。

「ダニールのフロアの損傷は酷かった」とフランツ・トスト代表。「約60ポイントのダウンフォースを失ってしまったため、レース続行は不可能だった。リタイアせざるを得ない状況だった」

一方のアレックス・アルボンは完走を果たしたものの、タイヤ戦略が噛み合わず惜しくも11位とポイントには届かなかった。敗因の一つは、ピットストップ戦略にあった。

ペースの上がらないソフトスタート勢は、5周目から9周目までに一斉にタイヤ交換に動いたものの、アルボンがボックスの指示を受けたのは11周目。ミディアムに履き替えてコースへと戻ったアルボンは、9番手から最後尾20番手へと一気に転落。中団勢のひしめき合う後方フィールドに戻ってしまったため、挽回のチャンスを掴む事が出来なかった。

「アレックスのペースは悪くなかった」テクニカルディレクターのジョディ・エジントンは、戦略ミスを認めた。「チームとして正直に言わねばならない。今日のピットストップ戦略は彼の手助けにはならなかった」

「レースではこういう事も起こるものだが、今後このようなトラップに引っかからないようにするために、データを見直して精進しなければならない」

トスト代表も、第一スティントを引っ張りすぎた事が仇となったと考えている。

「アレックスは第2スティントでリカバーし、11位でフィニッシュしてくれたものの、ピットに呼ぶのが遅過ぎた。次のスペインで力強さを取り戻すためにも、何が悪かったのかをしっかりと分析しなければならない」

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