話しながらパドックを歩くトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーとピエール・ガスリー、2018年F1アゼルバイジャンGP予選にて
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トロロッソ・ホンダ、あわや2戦連続の同士討ちに大きな課題…落胆と失望に終わったアゼルバイジャンGP予選

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4月28日(土)のF1第4戦アゼルバイジャンGP公式予選に挑んだトロロッソ・ホンダ勢は、チームメイト同士であわや死傷事故寸前のニアミスを演じ、2台揃ってQ1敗退を喫する不甲斐ない結果に終わった。

土曜のバクー市街地コースは前日のような日差しはなく完全な曇り空に覆われ、時折り強い風の吹く難しいコンディションとなった。現地午後2時からの予選前最後のフリー走行では、マシンのセッティングを煮詰め、ピエール・ガスリーが16周の走行で13番手、ブレンドン・ハートレーが11周を走り20番手でセッションを終えた。

予選開始は現地午後5時。気温22℃、路面温度26.5℃のドライコンディションでスタートした。ガスリー、ハートレー共にウルトラソフトタイヤでアタックを開始したが、ハートレーはイエローフラッグの餌食となり1回目のアタックを断念。ガスリーは1分44秒496をマークし、タイヤ履き替えのためピットへと戻った。

バクー市街地コースを走るトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー、2018年F1アゼルバイジャンGP初日FP1
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問題が発生したのはQ1セッションの終盤。残り6分を切った時点で両者再びコースイン、2回目のアタックへと向かった。先にアタックに入ったハートレーは、バリアに軽く接触しタイヤがパンク。スローダウンを強いられた。背後からハートレーに迫っていたガスリーはこれに気づかず、速度差200km超の危険な状況の中、ターン15の手前で交錯した。

間一髪のところで危機は回避されたものの、死傷事故に繋がりかねない極めて危険なインシデントであった。このアクシデントで、ガスリーはタイムアップを逃して17番手に終わりQ2進出を逃す事となった。ハートレーは、結局予選でのアタックを一度もできないままにセッションを終えた。

トロロッソ・ホンダは前戦中国GPの決勝でも同士討ちを喫しレースを棒に振ったばかり。ピットとドライバー間のコミュニケーションの課題が指摘されており、早急な改善が求められるが、今回の一件によってガスリーの卓越した動体視力とドライビングスキルが改めて明らかとなった。

F1アゼルバイジャンGP決勝レースは、4月29日(日)16時10分、日本時間21時10分にブラックアウトを迎える。ガスリーは9列目17番グリッドから、ハートレーは10列目19番グリッドから、51周の決勝レースに挑む。

F1アゼルバイジャンGP予選を終えて

ピエール・ガスリー予選: 17位, FP3: 13位

今日のアクシデントは、これまでにレースをしてきた中で一番怖い瞬間だった。時速320kmに達する場所で、あわやブレンドンとクラッシュしそうになってしまったんだ。急激にスピードを落としたのを見て避けようとしたんだけど、彼が左右のどちらに行くかが読めず、危うく接触しそうになった。

間一髪のところで何とか避けることができたものの、Q2には進出できず本当に残念だよ。2回目のアタックでは0.6~7秒ほどタイムを詰めていたからQ2進出は間違いない状態だったのに。残念ながら、厳しい結果に終わった中国GPのうっぷんを晴らす事はできなかった。

チームとしては本当に残念な予選になってしまったけど、クラッシュを回避できたのは不幸中の幸いだった。誰もこんな状況を望んではいやしないし、チームメート同士で絡んでしまうのはこれが2回目だから、二度とこれを繰り返さないように解決策を見つける必要があるね。

ブレンドン・ハートレー予選: 19位, FP3: 20位

最悪の一日だった。Q1での最初のアタックラップがイエローフラッグで中断されてしまい、あの時点ではタイムが出せていない状況だったんだ。その後のラップでは順調に走行し、マシンの状態にも満足していたのに、イン側の壁に軽く接触してしまったんだ。

最初はマシンにダメージはないと思っていたんだけど、高速の左コーナーに差し掛かった時にパンクに気付き、ウォールへの激突を避けるためスピードを落とした。すぐ後ろをピエールが高速で走行していた事を思えば、完全に判断を誤ってしまった。

ミラーを見て左側へ避けようと思ったんだけど、彼の行きたい方向と同じになってしまった。今日の一件は僕に責任があると感じている。このような事態が起きてしまし本当に残念だし、ピエールにはとても申し訳ない事をしてしまった。

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日の予選は、ピエールがQ2に進出できるペースでアタックを続けていただけに、チームメート同士が絡む不運なアクシデントにより2台ともにQ1敗退となったことは非常に残念でした。

PUとしては、ロングストレートと低速コーナーが組み合わされたこのサーキットでエナジーマネジメントを最適化するため、昨日からドライバーやチームのエンジニアとコミュニケーションを取りながら、さまざまなトライをしています。

ただ、パッケージとして最適なバランスを得ることは非常にチャレンジングだと感じています。これからは明日のレースに焦点を当てて準備を進めます。

ジェームス・キーテクニカル・ディレクター

今日の予選は、残念ながら悪い意味で、波乱に富んだ一日となってしまった。ブレンドンはイエローフラッグによってアタックできず、最初の走行が無駄となってしまった。一方のピエールは順調に走行し、最初のアタックでまずまずのタイムを出した。

レースウィークでよく目にする事ではあるが、Q1が進むにつれて路面状況が著しく改善したため、2回目のアタックではピエールのペースも上がっていた。このままラップを終えられれば確実にQ2に進出できると思っていたよ。

だが、速度差が大きい状態で、パンクでスローダウンしたブレンドンとピエールとがニアミスを引き起こしてしまった。幸いピエールのドライビングのおかげで衝突を避ける事ができたが、タイヤやバッテリーの状況、それに残り時間を考えると、予選を諦めざるを得なかった。

良いペースで走行できていたため、このような結果になってしまい本当に残念だよ。Q3進出は叶わなかったかもしれないが、それに近いところまではいけたと思う。もしそうなっていれば、明日のレースでのタイヤの磨耗状況次第では、良いポジションを得られていたかもしれない。

望んでいた位置からレースをスタートする事は出来なくなってしまったが、過去にそうだったように、バクーでの日曜のイベントは非常に慌ただしく何が起きても不思議ではない。今夜は明日の戦略を練るつもりだ。挽回できることを願っている。


2018年F1アゼルバイジャンGP決勝レースは、日本時間29日(日)21時10分から、バクー市街地コースで開催される。現地日曜は最高気温18℃と低く、毎時50km程の強風が吹き荒れる予報となっている。

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