欲求不満に”支配された”とハミルトン、他車の走路違反にイライラ「頼むから…」とウォルフ懇願
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F1オーストリアGPで他車のトラック・リミットに苛立ちを募らせ、集中できていない素振りを見せたルイス・ハミルトン(メルセデス)は決勝レースを終えて、「フラストレーションに支配」され、感情をコントロールできていなかったと認めた。
ランド・ノリス(マクラーレン)の無線を通したアピールを経て、レース序盤にトラック・リミット違反によるペナルティを受けたハミルトンは、前を行くセルジオ・ペレス(レッドブル)の走路違反に対する不満を繰り返した。
「ペレスがターン10で外に出た。もし全員を注視してるなら彼ら(FIA)は知っておいた方がいい」
「ペレスがまたやった!まだペナルティが出てないのか?アイツ、毎回、飛び出してるぞ!」
そしてチームから走路違反に気をつけるようにと言われると「無理だ、クルマが曲がらない」と返した。
するとチーム代表を務めるトト・ウォルフが珍しくもマイクを握り「ルイス、クルマが悪いのは分かってる。頼むからドライビングに集中してくれ」となだめるような場面もあった。
5秒ペナルティを受けて7位でフィニッシュしたハミルトンは、アストンマーチンによる異議申し立てを経て、追加で10秒を科されて8位に後退。周冠宇(アルファロメオ)と並び一度も違反を犯さなかった僚友ジョージ・ラッセルが繰り上がりの7位に昇格した。
レース後、ハミルトンはInstagramを通して「自分自身を本当に誇りに思える日もあれば、今日のようにフラストレーションに支配されてしまう日もある」と投稿し、感情をコントロールできず注意散漫となっていた事を認めた。
ハミルトンの苛立ちは単にトラック・リミットだけが原因というわけではないようだ。大改良を経て光明が見え始めていたW14のペースはあまりにも期待外れだったとハミルトンは振り返る。
「これほど遅いとは思ってもみなかった。今週末の僕らのパフォーマンスは(悪い意味で)驚きだった。理由はまだ分からない。でも、このコースを走った事で、僕らが焦点を当てなければならない幾つかの改善点が強調された」
「今週末はリアエンドが弱く、バランスを取るためにフロントをかなり軽くしたんだ。その結果、特にターン10で滑ってしまって本当に大変だった。何も出来なかった。だからトラック・リミットに苦労していたんだ」
「ピットストップの際にフロントウイングの負荷を増やしたら幾らか良くなったけど、それでも完全に解消できたわけじゃなかった」
7月2日(日)にレッドブル・リンクで行われた2023年F1第10戦オーストリアGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く結果となった。
シルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは7月7日のフリー走行1で幕を開ける。