2017年F1オーストラリアGP木曜記者会見の全文書き起こし
オーストラリアGPの開幕に先立って、F1公式の記者会見が実施された。会見に出席したのはフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ダニエル・リカルド(レッドブル)の4名。以下本会見の模様を紹介する。
プレスカンファレンス
Q:まずはルイスから始めましょう。オーストラリアGPでは2度の優勝と5回のポール・シッターを記録していますね。あなたを始めドライバー達はみんなこの新世代のマシンを楽しんでいるようですが、あなたが特に気に入っているところについて教えてください。
ルイス・ハミルトン
「んーどうだろう、レーシングドライバーというのは世界で最も速い車を運転したいと思うものだし、新しいマシンは去年のものよりも速くあって欲しいと思ってるんじゃないかな。コース上での速さを目的にした開発は素晴らしいチャレンジだと思う。今のF1が目指している方向性では、身体的な要求がますます高まっているよね。僕らはアスリートだし、F1はすべてのモータースポーツの中で最も身体的に要求の厳しいスポーツでなければならないと思ってる。去年はそうじゃなかったよね。それが、今年は限界まで自分を追い込まないといけなくなったんだ。僕はこの方が好きだよ。」
Q:スポーツの世界においては、勝利し続けている間はチームに変更を加えてはいけない、という言葉があります。しかし、メルセデスはテクニカル・ディレクターとドライバーを変更しました。これはうまくいっていますか?
ルイス・ハミルトン
「これまでのところ、いい感じだよ。(テクニカル・ディレクターに就任したジェームズ・アリソン)とは腰を据えて話をしたよ。素晴らしい会話だった。彼はチームによく溶け込んでいるし、彼と一緒に働くことにとてもワクワクしているよ。創造性に溢れた新しいマインドを持つことはいつだって素晴らしいことだし、ジェームズは今までに僕が会った中で最も賢い人の一人だよ。彼が僕とチームにもたらしてくれるものに興奮しているんだ。前にも言ったけど、バルテリ(・ボッタス)はすんなりチームに溶け込んでいるし、全力で仕事をこなしてくれてるよ。」
Q:セバスチャン、あなたに参りましょう。あなたは2011年オーストラリアGPの勝者です。昨年は優勝のチャンスが大いにありましたし、シーズン前テストを見ているとあなたが日曜の決勝レースで再び躍進するのでは、と思えてきますが如何でしょうか?
セバスチャン・ベッテル
「うーんそうだね、今のところは何も分からないかな。誰だって土曜日の予選と日曜の決勝で自分たちがどの位置にいるのかを知りたいと思うものだけどね。昨年は、打つ手打つ手がみんな期待通りに進まなかったので、僕らは今年本当に集中していると思うよ。ファクトリーや合同テストではトップに返り咲くために懸命に仕事をしてきたしね。テストに関しては重要だとは思っていないよ。大切なのはこれから何が示せるかだと思うからね。他のチームが何をしているのか分からない以上、チーム間の序列に関してはテストから分かることは何もないよ。テストではちゃんと周回を重ねることができたので、その意味では幸せだよ。車に大きな問題はなかったし、この勢いをレースに持ち込めればと思ってる。」
Q:マシンにはかなり競争力があるように見えますが、本当に気になるのは予選ではどうなるか、ということです。2010年以来フェラーリが獲得したポールポジションは5回だけです。どのように対処してきていますか?予選後半では、より速いエンジン設定をするのでしょうか?
セバスチャン・ベッテル
「必ずしもそうじゃないと思うよ。僕らはすべての領域に取り組み改善しようとしてるんだ。もちろん、予選が大切ということは分かってる。予選が良ければ決勝でも良い結果を出すチャンスが増えるわけだからね。過去の統計的には僕らは予選が良くない感じなので、何とか巻き返したいね。」
Q:それではフェルナンド、2006年のオーストラリアGPで優勝していますね。マクラーレンとホンダが非常に難しい状況にあるという事実は周知のとおりですが、今シーズンはどんな期待をしていますか?
フェルナンド・アロンソ
「まずは様子をみてみようと思ってるよ。まだテストが終わっただけだからね。最初のレースでは物事がもう少しクリアになると思う。僕らがどの位置にいるのかは分からない。僕たちは、幾つかの問題が原因で、テストでは限界までマシンを走らせることができなかったんだ。だから様子をみてみる必要がある。もし最初のレースを良い結果で終えることが出来たら、車のポテンシャルと序列上における僕らの位置について考えてみよう。でもやるべきことは多いし、道のりはまだまだ長いよ。」
Q:テスト初日から3週間しか経っていませんが、問題が明らかになっています。何らかの改善プランを立てることはできましたか?それともプランを立てるにはまだ数週間位かかるのでしょうか?
フェルナンド・アロンソ
「チームは状況を改善するために常に努力しているよ。問題を特定し、その問題を改善するため、あらゆることに懸命に取り組んでいる。ここ3週間で誰もがみなやるべきことを限界までやっていると思うし、明日のフリー走行がどうなるかを見てみよう。これ以上のことはエリック(マクラーレンのディレクター)とホンダに質問してくれ。」
Q:ダニエル、オーストラリアが1985年にグランプリ開催の地になって以来、ここで優勝したオーストラリア人はいません。今週末はどうでしょうか?
ダニエル・リカルド
「挑戦するよ。そうしようと思ってる。そうなれば最高だろうね。母国レースで優勝した頃のあるドライバーは誰もが最高だと言うんだ。それはそうだろうね。」
セバスチャン・ベッテル
「ん?アラン・ジョーンズはここで勝ってなかったっけ?」
Q:それは世界選手権ラウンドになる前のことですね。
セバスチャン・ベッテル
「彼が優勝したのは1980年?」
ダニエル・リカルド
「彼はここに来ているから、あとで聞いてみるよ。」
Q:ダニエル、何か付け加えて言いたいことはありますか?
ダニエル・リカルド
「そうだね、今週は何が起こるか分かんないけど準備はできてるよ。ルイスが言ったように、今年は身体的要求が増しているよね。プレシーズンテストでは、すべての仕事を終えられたと思う。ここにいるドライバーはみんな準備万端って感じだね。身体的に厳しいことは良いことだし、マシンはすごい楽しいし、どんどん速くなるだろうね。今週末、ファンはそのコーナリング速度の速さを間近にすることになると思う。願わくば、僕らレッドブルが最も速いコーナリング速度を持っているといいね。」
Q:昨シーズンの後半にチームメイトのマックス・フェルスタッペンがいい走りをみせました。今年あなた方2人の戦いはどのくらい厳しいものになるでしょうか?
ダニエル・リカルド
「タフな感じになれば良いね。優勝争いでそうなれば言うことないね。彼は明らかに速いよ。今年3年目でまだ若いけどもうルーキーじゃないし、僕らはふたりとも経験を積んでこれたと思うよ。チームは僕らがどうなるのかをワクワクしながら見ているんじゃないかな。他の人もたぶんそうだよね。トップ争いをしながら戦えれば最高だし、僕ら自身もそれを望んでるよ。」
会見翌日となる3月24日(金) 10:00からオーストラリアGPのフリー走行が開始となる。いよいよ2017年F1の開幕だ。