角田裕毅、自身の仕事に手応え「戦える」と自信深めたアルファタウリ…最多456周を走り込み総合6番手でテスト締め
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高い信頼性を背景にアルファタウリは、3日間に渡って行われた2023年F1プレシーズンテストで全チーム最多となる合計456周もの距離を走り込み、今後のマシン開発、レースウィークに向けて有益なデータを大量に収集した。
走行距離でトップに立った事についてテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは「コースサイドのメカニック、エンジニア、ファエンツァとビスターのファクトリーサポート陣のおかげ」だとして感謝の意を表した。
ラップタイムも期待を抱かせるものだった。角田裕毅は最終日、テスト総合6番手となる1分31秒261を刻み、来週末に控える開幕バーレーンGPに向けて、一連のテストを成功裏に締め括った。
自身の仕事ぶりに手応えを得た角田裕毅
3日目の午後にAT04での作業を担当した角田裕毅は「今日は初めて午後のセッションを担当しました。パフォーマンスランでの自分の走りの質、そしてチームへのフィードバックは満足できるものでした」と述べ、自身の仕事ぶりに手応えを得た様子を見せた。
「シーズンの開幕に向けて有益なデータを大量に収集でき、3日間のテストは生産的なものとなりました」
「幾つかの欠点も見つかりましたが、掘り下げてみた結果、このエリアに関しては僕もチームも改善してパフォーマンスを強化できると確信しています」
開幕戦の舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットは角田裕毅のF1デビュー戦の地でもあり、過去2大会ではいずれも入賞を飾っている。
「来週に向けてこの勢いを保ちつつ、これからのレースで良い結果を出したいと思っています」と角田裕毅は続ける。
「いつも通りミッドフィールドは厳しい争いが予想されますが、他のチームがどのようなプログラムに取り組んでいたのか分からない以上、現時点で自分たちと比較するのは難しいです」
「来週のレースで100%の力が発揮できるよう休養を取るつもりです」
開幕戦までに更に前進できるとデ・フリース
午前のプログラムを担当したニック・デ・フリースは一連のテストが充実した事で、開幕戦に向けて更に前進できると考えている。
「大量に走り込み、予定していた全ての項目をクリアすることができたし、すべてが上手くいったから今日のテスト最終日には本当に満足だ」とデ・フリース。
「3日間のテストを通してパッケージについて多くを学んだ。来週に向けたあらゆる準備に役立つと思う」
「中団は本当にタイトで競争が激しい。自分たちのポテンシャルを最大限に引き出して、シーズンの開幕戦で良い結果を出したいと思っている」
エギントンは「ユーキとニックは共に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれただけでなく、優れたフィードバックによってエンジニアたちを後押ししてくれた」と2人を労った。
「戦える」との期待と自信
搭載燃料量やエンジンモード、車重など、変数が異なるために単純比較できないが、それでも同じC4タイヤを履くフェラーリにコンマ2秒差の6番手という角田裕毅の走りは印象的なものだった。
チーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズはこの日の結果を受け、競争激しいミッドフィールドで戦っていく自信を深めたという。
「ラップタイムで分かる通り、クルマに対する理解、タイヤの最適化、エアロワーク、セットアップなど、今日は3日間の中で一番進展があった1日だった」
「勿論、特に燃料の積載量がそうだが、誰もが異なる計画の下で作業に取り組んでいたわけで、シーズン開幕時のパフォーマンスに現実離れした期待は抱いていないが、それでも中団グループと戦えると信じている」
「テスト最終日ということで、来週に向けたレースモードに入る前に、幾つかのセットアップ項目をクリアしておかなければならなかった。そのうちの幾つかについては期待通りの結果とはならなかったが、AT04の限界を見通せたのは良かった」
「クルマは3日間を通して非常に安定して走ってくれた。おかげで必要なデータをすべて収集できた。これから数日間をかけて分析し、レースウイークエンドに向けて最適なセットアップと計画を立てていきたい」
エギントンもまた「学びという点で今日は堅実な1日だった」と指摘する。
「今回のテストは非常に忙しく、時には困難なこともあったが、パッケージに対する理解が進み、クルマは安定して走れるようになり、良い進展があったことは本当に喜ばしい」
「幾つかの本当に興味深い結果とデータを得ることができたので、掘り下げていくつもりだ」