マリーナベイ市街地コースを火花を散らしながら走行するランド・ノリス(マクラーレン)とルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2026年10月11日(日) F1シンガポールGP決勝(マリーナベイ市街地コース)
Courtesy Of McLaren

ハミルトン、コース外走行で順位を守った? 無罰の理由、鍵はノリスとアントネッリの動きに/F1シンガポールGP

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2026年F1第17戦シンガポールGPで、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)はターン1、2をショートカットし、追い抜きを仕掛けたランド・ノリス(マクラーレン)の前でコースに復帰した。コース外を走って順位を守ったように見えるこの一件について、スチュワードはペナルティを科さなかった。

「タイヤがなくなってきた」と訴えるハミルトンに対し、ノリスは54周目にオーバーテイクモードを使って接近。メインストレートのイン側に飛び込み、ターン1でのオーバーテイクを狙った。

アウト側のハミルトンはブレーキングを遅らせて応戦したものの、ランオフエリアに飛び出し、ターン1、2をショートカット。その後、ノリスの前でコースに復帰したため、コース外走行によって持続的なアドバンテージを得た疑いで審議の対象となった。

無罰の鍵1:ノリスのコース逸脱

F1競技規則第B1条8項6号はドライバーに対し、常にあらゆる合理的努力を払ってコースを走行し、正当な理由なくコースを離れないよう求めている。コースの端を示す白線はコースに含まれるが、縁石は含まれず、4輪すべてがコース外にある場合、コースを逸脱したと判定される。

コース復帰に際しては、安全に行うこと、そして持続的なアドバンテージを得ないことが条件となっている。したがって今回の一件も、ハミルトンがコースを離れたか否かという事実に加え、それによってアドバンテージを得たかどうかを評価する必要があった。

ペドロ・ラミーを含む4名のスチュワードは、映像、計時データ、車載映像を検証。その結果、ノリスもハミルトンと同じ地点でコースを離れていたと認定し、ノリスの追い抜きの試みは「正当なものではなかった」と判断した。

そのため、ハミルトンが先、ノリスが後というコース復帰時の並びも「正しい順序」と判断された。今回のケースでは、仮にノリスがコース内にとどまっていた場合、「正しい順序ではない」と判断されたものと思われる。

無罰の鍵2:アントネッリの追い抜き

スチュワードはさらに、ハミルトンとノリスがコース外に出た際、そのすぐ後方にいたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)にも注目した。両者がアントネッリに対して持続的なアドバンテージを得たかどうかを評価する必要があったためと考えられる。

2人がコースに復帰した直後、アントネッリはターン5と6の間のストレートでノリスを抜き、ターン16に向けてハミルトンも追い抜いた。スチュワードは、これらの事情を踏まえたうえで、ペナルティは不要と結論づけた。

マリーナベイ市街地コース(F1シンガポールGP)のコースレイアウト図(2026年版)copyright Formula1 Data

マリーナベイ市街地コース(F1シンガポールGP)のコースレイアウト図(2026年版)

今回の裁定は、2台ともがコースを離れれば常に処分は科されない、という一般則を導くものではない。スチュワードは判断に際して、ノリスの追い抜きの正当性、復帰時の順序、そして後方のアントネッリに対するアドバンテージの有無を検討している。

なお、ハミルトンはその後ノリスにも先行を許すると、バーチャル・セーフティーカー(VSC)後にスローパンクチャーでピットインしていたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にも抜かれ、6位でチェッカーを受けた。


2026年F1第17戦シンガポールGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを果たし、2位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が続く結果となった。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズを舞台とする次戦アメリカGPは、10月23日のフリー走行1回目(FP1)で幕を開ける。

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