
ストロール、6周リタイヤ「3速も4速も使えなかった」揺れる自製ギアボックス
ランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)は2026年F1第7戦バルセロナ・カタロニアGPの決勝をわずか5周で終えた。本人の説明によれば、リタイヤは避けようのない状況だった。
「ギアボックスだ。ギアボックスの問題だった」とストロールは語った。
「2周くらい、3速も4速も使えなかったんだ。だからピットに入って確認することにした。それで、レースは終わった」
中速コーナーが連続するカタロニア・サーキットで、その帯域のギアを欠けば、まともなラップを刻むことはできない。ストロールがピットに入り、マシンを降りたのは、避けようのない判断だった。
こうしてストロールのレースは、21番手スタートから、わずか6周で幕を閉じた。
新規則が課すギアボックスの難題
今回のギアボックストラブルの原因は、現時点で特定されていない。ただ、アストンマーティン・ホンダが今季、ギアボックスの信頼性に苦しんできたことは確かだ。
アストンマーティンは今季、長年にわたり使用してきたメルセデス製のギアボックスを離れ、自社製ギアボックスを採用している。チームによればこれは「2004年以来」初めてのことだ。
2026年の新たな技術規則の下で、ギアボックスに求められる要件は従来と大きく異なっている。
新時代のMGU-Kは、従来の約3倍に相当する350kWの電動出力をクランクシャフトに加え、また減速時にはそこからエネルギーを回収する。MGU-Kがより多くのパワーを供給・回生するため、ギアボックスには双方向のより大きなトルク負荷がかかる。
加えて、2026年のF1では、エネルギーの回生を最大化するために、ブレーキング時に低いギアまで積極的にシフトダウンする手法が求められている。
こうした駆動系への高い要求が、ギアボックスの信頼性という課題をアストンマーティンに突きつけている側面は否定できない。エイドリアン・ニューウェイが設計を主導する新しいパッケージは、PUの非力さに加え、こうした課題にも直面している。
ダブルリタイヤ、続く忍耐の時「相変わらずだ」
今シーズン初ポイントの獲得から7日後、この日アストンマーティン・ホンダは2台ともチェッカーフラッグを受けることができなかった。
フェルナンド・アロンソは41周目、「バッテリーデータの異常」によりリタイヤした。母国ファンの前で、66周のレースの残り25周をマシンの外で過ごすことになった。
チーフ・トラックサイド・オフィサーのマイク・クラックは「厳しい週末は、2台ともリタイヤという形で終わった」と振り返った。
アロンソ同様、ストロールは当面の苦戦への覚悟を口にした。走り切った数周のマシンの感触を問われると、ストロールは「相変わらずだ。今はこういう状況だ」と語った。
「アップグレードが来るのを待つ他にないわけで、こういう週末はまだまだ続くだろう」
ストロールが耐える先に見据えるのは、サマーブレイク前後に予定される改善だ。
「だから、忍耐を持って、スパやブダペスト、そのあたりのレースを待つしかない」
2026年F1第7戦バルセロナ・カタロニアGPでは、2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン(フェラーリ)が通算106勝目を飾った。2位はジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位表彰台にはランド・ノリス(マクラーレン)が滑り込んだ。
レッドブル・リンクを舞台とする次戦オーストリアGPは、6月26日のフリー走行1で幕を開ける。