
アロンソ、”最後かも”のバルセロナで非情な停止指示。「今後5戦」の苦境とファンへの無念を吐露
「次の5戦も、同じような状況になると思う」――フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)は、母国レースでのリタイア後、先行きの厳しさをこう口にした。アップグレードがない以上、今後も最後尾を争う状況は避けられないという見立てだ。
2026年F1第7戦バルセロナ・カタロニアGPで、アロンソはリタイアに終わった。自身にとってバルセロナでの最後のF1レースになる可能性が高いと覚悟して臨んだ一戦だった。
母国GPで告げられた「停止」の指示
アロンソは予選で、43戦ぶりにチームメイトのランス・ストロールに敗れ、最下位の22番手に沈んだ。チームは決勝を前に、今季4基目となるエネルギーストア(ES)、コントロール・エレクトロニクス(PU-CE)、MGU-Kに交換。アロンソはピットレーンからスタートした。
決勝でも、好転の兆しはなかった。「今日のレースは本当に大変だった。リアグリップがまるでなくて、この暑いコンディションも僕らのパフォーマンスの助けにはならなかった」とアロンソは振り返る。
そして迎えた38周目、ターン9でマシンが止まった。
「チームからマシンを止めるように言われたんだ。それで、何か問題があるのだと分かった」とアロンソは語る。「バッテリーが音を上げて、急いでクルマを止めなきゃならなかった」
一方、21番手スタートのストロールも、わずか5周目にマシンをガレージに入れてリタイアした。ギアボックスのトラブルが疑われている。アストンマーティン・ホンダは、アロンソの母国レースで2台ともチェッカーを受けられなかった。
苦境への覚悟と、ファンへの無念
レース後にアロンソが示したのは、目先のレースに対する落胆というよりはむしろ、シーズン中盤に向けた厳しい見通しだった。
「今後5戦も同じような状況になると思う。クルマにアップグレードがないからね。少し苦戦するだろう」とアロンソは語った。
チームは今季初となるアップグレード・パッケージの投入時期を明確に明かしていないが、アロンソのこの発言は、サマーブレイク明けの第13戦イタリアGPにアップグレードが投入される可能性を示唆している。
アストンマーティンは、断続的に小規模アップグレードを投入しても状況を変えることは難しいと判断し、開発資源を一つの大規模パッケージに集中させている。ホンダもまた、ほぼ同じ時期にPUのアップグレードを投入すべく作業を進めているとみられており、それまでは現状を変える材料が乏しい。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
グリッド上でAMR26を見守るアストンマーティンと株式会社ホンダ・レーシング(HRC)のエンジニア、2026年6月14日(日) F1バルセロナ・カタロニアGP決勝(カタロニア・サーキット)
アロンソは前日、AMR26を「最悪のクルマと最悪のエンジン」と評していた。問題はPUにとどまらず、アストン製ギアボックスとホンダ製PUの統合に起因するシフトダウンの不具合、空力・メカニカルグリップ不足など、多岐にわたる。
それでもアロンソは、チームへの信頼を口にしてきた。前戦モナコGPで獲得した今季初のポイントを引き合いに、まだ諦めていないと語る。「モナコのあのポイントは、僕らが諦めていないことの証明だ。たとえグリッド最後尾だとしても、レースを完走し、どんなチャンスもモノにする」
そのうえで、結果を出すには改善が不可欠だと続けた。「シーズン後半に向けて、もう少し競争力が高まる改善があることを願ってる。これからも取り組み続ける。でも、結果も欲しい。最終的には、アップグレードがどうなるかを見る必要がある」
厳しい週末でアロンソが唯一の救いとして挙げたのは、母国ファンの声援だった。
「週末を通して、ファンの皆の応援は本当に素晴らしかった。そのすべてに感謝したい」とアロンソは語った。
「彼らの期待に応えることができず、残念だ」
アロンソは決勝前のドライバーズパレードの際に、マシンに乗ってレースをするより、観客席でファンとともにレースを観戦する方が「いいだろうな」と語っていた。その言葉は、皮肉にも現実のものとなった。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
観客席の前でエアキャノンを手に笑顔を見せるフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)、2026年6月14日(日) F1バルセロナ・カタロニアGP決勝(カタロニア・サーキット)
2026年F1第7戦バルセロナ・カタロニアGPでは、2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン(フェラーリ)が通算106勝目を飾った。2位はジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位表彰台にはランド・ノリス(マクラーレン)が滑り込んだ。
レッドブル・リンクを舞台とする次戦オーストリアGPは、6月26日のフリー走行1で幕を開ける。