F1名将ロス・ブラウンが再始動、 MotoGPヤマハ陣営に合流。背景にある三つの文脈とは

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F1史上屈指の成功者の一人、ロス・ブラウンが、ロードレース世界選手権(MotoGP)に参戦するプラマック・レーシングの取締役会に加わったことが2026年5月26日、発表された。

ブラウンは、1990年代から2000年代初頭にかけて、ミハエル・シューマッハとともにベネトンおよびフェラーリのF1ワールドチャンピオン獲得を支えた中心人物だ。

2009年には、前年末に撤退したホンダF1ワークスを引き継ぎ、自らの名を冠したブラウンGPを率いて、ジェンソン・バトンとともに奇跡的な世界選手権制覇を成し遂げた。モータースポーツ史に残る成功譚だった。

ブラウンは40年以上にわたるモータースポーツのキャリアにおいて、コンストラクターズ選手権11回、ドライバーズ選手権11回の計22回の世界タイトルを獲得している。

F1チームの現場から退いた後は、リバティメディア体制の下、2017年から2022年末にかけてF1のマネージングディレクターを務め、レギュレーションの方向づけなど、競技そのものの設計に関わった。

プラマックで戦略アドバイザーに

F1マネージング・ディレクターのパオロ・カンピノーティとロードレース世界選手権(MotoGP)に参戦するプラマックのチーム代表パオロ・カンピノーティCourtesy Of Yamaha Motor Co., Ltd.

F1マネージング・ディレクターのパオロ・カンピノーティとロードレース世界選手権(MotoGP)に参戦するプラマックのチーム代表パオロ・カンピノーティ

ブラウンは、ヤマハのサテライトチームであるプラマックの非常勤役員として、チーム代表で旧知の友人でもあるパオロ・カンピノーティの「戦略アドバイザー」を務める。

「モータースポーツとは常に、人、チームワーク、そして絶え間ない改善に関わるものだ。パオロとチームを支え、私の経験が役立つ場面で貢献できることを楽しみにしている」とブラウンは語る。

「プラマックは、強い精神と野心を備えた素晴らしい組織を築き上げてきた。その未来の一部になれることを楽しみにしている」

カンピノーティも、長年の友情に触れてブラウンを歓迎した。

「F1での並外れたキャリアと功績はもちろんだが、ロスは、私が長年にわたって友情と深い敬意を分かち合ってきた人物だ。彼のビジョン、知識、そして勝者のメンタリティは、プラマックの継続的な成長と発展に、貴重な貢献をもたらしてくれると信じている」

リバティメディアとの接点

表向きは友情関係に基づく人事だが、ここには見逃せない背景がさらに2つある。

ブラウンがかつて仕えたリバティメディアは、F1に続いてMotoGPの商業権者ドルナを買収し、今や二つの最高峰カテゴリーを傘下に収めている。

加えて、プラマックのオーナーであるカンピノーティは、F1のCEOステファノ・ドメニカリとも親しい間柄にあるとされる。