F1、日本GPから新ルール導入か…中国GP後に是非を本格協議へ。変更候補は2案?

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2026年のF1シーズンが開幕したばかりだが、F1首脳陣と各チームは、すでに規則変更に向けた協議を本格化させている。第2戦中国GPの終了後に検証の場が設けられ、早ければ鈴鹿サーキットで行われる第3戦日本GPから、新たなルールが導入される可能性がある。

開幕戦オーストラリアGPでは、これまでにない数のオーバーテイクが記録された。だが「多ければ良い」というわけではないのが、F1という競技の難しさだ。

一部のドライバーからは「まるでマリオカートのキノコだ」「人工的だ」「レースじゃない」といった批判が上がり、本能に反する走りを強いられることへの抵抗感が表面化した。

安全面での懸念もある。ランド・ノリス(マクラーレン)は、電力展開量の差によって他車との速度差が30〜50km/hに達する可能性を指摘し、「いつか大きな事故が起きる」と警告した。

さらにスタートでは、複数台がバッテリー残量の不足で出遅れ、これまで見られなかった大幅な順位変動が起きた。原因の一つは、フォーメーションラップでのエネルギーマネジメントにあった。

ドライバーはタイヤとブレーキを温めるために加減速を繰り返す。だがその過程で電力消費が増加し、さらにタイヤに熱を入れる目的でブレーキバランスを前寄りに設定した結果、後輪の制動量が減少。これによって回生効率が低下したことも影響した。

変更候補は2つ。回生を増やすか、放出を絞るか

国際自動車連盟(FIA)のシングルシーター部門を統括するニコラス・トンバジスは、エネルギーマネジメントに関わる現在の設定値について、調整の余地があると認めた。検討されているとみられる主な案は2つある。

1つ目は「スーパークリッピング(回生制限)の緩和」だ。現在250kWに制限されている回生量の上限が引き上げられることで、バッテリーへの充電が容易となる。

2つ目は「デプロイメント(放出量)の抑制」だ。350kWの出力上限を引き下げることで、ブーストが短時間で使い切られる状況を抑制する。これにより、より長く持続することが期待される。

どちらも「エネルギー量の極端な差がレースの混乱を招く」という問題への対処だが、アプローチは正反対だ。前者はエネルギーを多く蓄えられるようにして余裕を作り、後者は一度に放出できる量を抑えることで速度差の拡大を防ぐ。

拙速な変更はリスク、慎重な検証を求める声

ウィリアムズのチーム代表ジェームズ・ヴァウルズは「最悪なのは、変更によって状況をさらに悪化させることだ」と指摘する。ルールの調整には、やはり慎重な検証が欠かせない。

アルバート・パーク・サーキットは、カレンダーの中でもエネルギーマネジメントが特に複雑なサーキットと考えられている。そのため、開幕戦の結果だけを根拠に変更へ踏み切ることには、どうしても慎重にならざるを得ない。

そのため、最初の2戦のデータ分析を踏まえて協議を行う方針が、バーレーンテスト後にチームとの間で合意されていた。

今後のスケジュールとしては、中国GP後の検証を経て、変更の必要性が判断される見通しだ。また、中東情勢の影響でバーレーンGPとサウジアラビアGPの開催中止が現実味を帯びており、その場合には日本GP後の約5週間の空白期間を利用してさらなる調整が行われる可能性もある。

鈴鹿では一体、どのようなルールの下でレースが行われるのか。それを左右する要素の一つが上海でのレース展開・結果にあるという点で、今年の中国GPは例年以上に注目を集める一戦になりそうだ。