
紆余曲折の末にアルピーヌF1へ、新星アレックス・ダンが「天性のスピード」を買われアカデミーに加入
ピエール・ガスリーとフランコ・コラピントを擁するアルピーヌF1チームは2026年3月4日、アイルランド出身のF2ドライバー、アレックス・ダンを、若手育成プログラム「アルピーヌ・アカデミー」のメンバーとして迎え入れたと正式発表した。
ダンは先月、FIA-F2選手権のプレシーズンテストでアルピーヌのリバリーをまとったマシンを走らせる姿が確認されており、シーズン開幕を前に正式契約が明らかにされた形だ。今季はロダン・モータースポーツからF2に参戦しながら、アルピーヌの公式メンバーとして開発業務とレース活動を並行する。
紆余曲折の末にたどり着いたアルピーヌ
ダンの歩みは、F1への道の厳しさを物語る。2025年にはマクラーレンから2度フリー走行(FP1)に出走。オーストリアGPのFP1では、同じマシンを駆るレギュラードライバーのオスカー・ピアストリにわずか0.069秒差まで迫る4番手タイムを記録した。
だが将来的なシート獲得の展望は開けず、同年10月にマクラーレンを離脱。その後、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコと同チームのアカデミー契約を結んだものの、短期間で解消されるという異例の経緯をたどった。
Courtesy Of McLaren
ガレージでチームメンバーと談笑するマクラーレン育成アレックス・ダン、2025年6月27日F1オーストリアGPフリー走行1(レッドブルリンク) (3)
紆余曲折を経てアルピーヌ入りを果たしたダンは、「アルピーヌ・アカデミーに加入し、キャリアの次なるステップに進めることを本当に嬉しく思う。2025年は競争力のあるシーズンを過ごせたし、今年の目標はF2のドライバーズチャンピオンを争うことだ」と決意を語った。
「天性のスピードの持ち主」ブリアトーレが認めた才能
アルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、ダンの加入を歓迎し、その才能を高く評価した。
「アレックス(ダン)をアルピーヌ・アカデミーの一員として迎えられることを喜ばしく思う。昨年のF2でのパフォーマンス、そしてF1のフリー走行で見せた走りは印象的だった。彼は明らかに、天性のスピードを備えた非常に才能豊かな若手ドライバーだ」
現在のアルピーヌ・アカデミーには、スーパーライセンスを保持しリザーブドライバーを務めるポール・アーロンをはじめ、クッシュ・マイニ、ガブリエレ・ミニら有望株が名を連ねる。
ブリアトーレはマイニやミニとの関係にも言及し、「2026年のF2で彼ら3人が競い合う姿を見るのが楽しみだ。目標は明確だ。ドライバーズチャンピオンを獲得すること。それがすべてだ」と語った。
ダンにとっての今季の焦点は、アーロンがすでに確保しているスーパーライセンスの取得となる。F2でのタイトル獲得は単に名誉というだけでなく、F1昇格に向けた極めて重要な条件となる。