アストン・ホンダに衝撃。PUパーツ不足と信頼性不足で「30分間隔限定的走行」の異常事態

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2026年のシーズン開幕に向けたアストンマーティン・ホンダの苦境は、バーレーンテスト最終日を迎えてさらに深刻さを増した。パフォーマンス不足と信頼性の欠如という二重苦に加え、走行プログラムすら十分に遂行できない危機的状況に陥っている。

テスト4日目、フェルナンド・アロンソを襲ったバッテリー関連のトラブルにより、チームは約3時間の走行時間を失った。状況は5日目を迎えて好転せず、ランス・ストロールは開始から3時間が経過してなおガレージを離れることができていない。

ガレージ内でマシンが始動される場面こそあったものの、何らかの問題が確認され、チームは走行を見送り修復作業に追われている。そして、パワーユニット(PU)サプライヤーであるホンダの声明により、事態の深刻さが明らかになった。

前日のアロンソのトラブルを受けホンダは、栃木県のHRC Sakuraでベンチテストを使ったシミュレーションを実施。その結果と、今週これまでに消費したパーツの在庫状況を踏まえ、最終日の走行を大幅に制限せざるを得ないと発表した。

具体的には、この日のプログラムは「短時間の走行(ショートスティント)のみからなる非常に限定的なもの」に変更されたという。チーム代表者のペドロ・デ・ラ・ロサは「走行は短いスティントとし、30分ごとに間隔を空ける。データを詳細に確認し、各項目を検証するためだ。ロングランは行わない」と補足した。

アストンマーティン・ホンダAMR26をドライブするフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダAMR26)、2026年2月19日 F1プレシーズンテスト5日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーティン・ホンダAMR26をドライブするフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダAMR26)、2026年2月19日 F1プレシーズンテスト5日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

信頼性の検証が最優先事項であるこのチームにとって、パーツ不足により走行を制限せざるを得ない状況は極めて厳しい。アストンの今週の総周回数は122周にとどまり、全チーム中で最少となっている。4日目終了時点で301周を走行したメルセデスと比較しても半分以下であり、データ量の差は明白だ。

これまで扱ったことのない新パワーユニット、久々の自社設計となるギアボックス、新ファクトリー、新風洞、そしてエイドリアン・ニューウェイを迎えた新体制。大規模な刷新の途上にあるという点では当面の間、アストンはキャデラックのような新規参入チームと同列で見守るべき存在なのかもしれない。実際、ペースと信頼性の両面において、両チームは今回の一連のテストでほぼ拮抗した状況にある。

アロンソは前日の段階で「修正しなければならないことが山積みだ」と述べ、ファクトリーを含めた全員が解決策を模索していると明かしていた。だが、コース上での検証作業が物理的に制限されている現状では、開幕戦までに堅実なパッケージを整えるのは極めて難しい。

シーズン開幕時点、そして序盤に後れを取ることは避けられそうにない。パワーユニット、冷却系、ギアボックスといった基幹分野の課題は、短期間で解決できる類のものではない。チームが繰り返し強調してきたように、これは「長期的なプロジェクト」だ。

強豪勢が着実に準備を進めるなか、新時代のF1にホンダとともに挑むアストンの船出は、極めて厳しい局面を迎えている。