エプスタイン文書、F1重鎮2名の名前が浮上。性犯罪有罪判決後も接点か

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アメリカ司法省は1月30日、性犯罪で有罪判決を受けた故ジェフリー・エプスタイン元被告に関する資料を新たに大量公開した。文書約300万ページ、画像約18万点、動画約2000点に及ぶ今回の資料には、元被告と著名人や各界要人との電子メールやメッセージのやり取りが含まれており、その中にF1関係者2名の名前があることが確認された。

エプスタイン元被告は2008年に有罪判決を受けた後、性犯罪者として登録され、2019年には未成年者を性的目的で人身取引した罪で起訴された。その後、裁判を待つ間にニューヨークの拘置所で死亡している。

BBCの調査によれば、公開資料には、国際自動車連盟(FIA)の元会長で、かつてスクーデリア・フェラーリを率いたジャン・トッドや、現在アルピーヌF1チームで実質的にチーム代表を務めるフラビオ・ブリアトーレの名前が含まれているという。

一方で重要なのは、資料に名前が記載されていること自体が、不正行為や犯罪への関与を示すものではないという点だ。公開された文書はいずれも、やり取りや接触の事実を示すにとどまり、違法行為を裏付ける内容が確認されたわけではない。

トッド、有罪判決後の元被告宅を訪問か

FIAのジャン・トッド会長、2021年12月16日のFIA表彰式でのプレスカンファレンスにてcopyright FIA

FIAのジャン・トッド会長、2021年12月16日のFIA表彰式でのプレスカンファレンスにて

公開されたメール記録によると、トッドは2017年、ニューヨークにある元被告の自宅を訪問したとされる。仲介したのは、ノルウェーの外交官テリエ・ロッド・ラシェン(Terje Rod-Larsen)氏とされ、同氏は元被告に対し「ジャン・トッドに会うのは有益だ。連絡先を送った。電話してコーヒーに招待するといい」と連絡していた。

一方のトッドは、共通の知人であるラシェン氏を通じて「あなたと知り合えてよかった。パリかジュネーブに来る予定があれば知らせてほしい。私は7月中旬にニューヨークへ戻る」と元被告にメールを送ったとされる。なお、元被告はトッドについて、別の知人へのメールで「なんとも風変わりな男だ」と評している。

ブリアトーレは「友人」と元被告

チーム代表記者会見でマイクを握るフラビオ・ブリアトーレ(アルピーヌ顧問)、2025年5月30日(金) F1スペインGP(バルセロナ・カタロニア・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

チーム代表記者会見でマイクを握るフラビオ・ブリアトーレ(アルピーヌ顧問)、2025年5月30日(金) F1スペインGP(バルセロナ・カタロニア・サーキット)

また、ブリアトーレについても、有罪判決後に元被告と連絡を取っていた可能性が浮かび上がっている。身元が黒塗りされた人物からの2010年のメールには、「フラビオ・ブリアトーレが、あなた(エプスタイン元被告)と話したがっている」との記載があったとされる。同年後半には、元被告がブリアトーレを「私のイタリア人の友人」と呼んでいたことも確認された。

さらに、英国の前駐米大使で、現在は公職における不正行為疑惑をめぐりロンドン警視庁の調査を受けているピーター・マンデルソン氏との会話の中では、ロンドン・チェルシー地区の不動産について、ブリアトーレが売却を希望しているという具体的なビジネス上の話題も取り上げられていたという。

なおマンデルソン氏は、元被告が2008年に有罪判決を受けた後も関係を継続していた事実が公となったことで、昨年、駐米大使の職を解任されている。

F1界の重鎮とされる、および重鎮とされた人物が、組織的な性的搾取ネットワークを構築していたとされる元被告と接点を持っていた事実については、今後、その経緯や道義的な観点から説明が求められる可能性もある。