
高地の罠か? フェルスタッペン、最速も「それ以外は全部ダメ」―レッドブルの”重大な懸念”を指摘
マックス・フェルスタッペンは2025年F1第20戦メキシコGP初日をトップタイムで締め括った。だが、その表情は晴れなかった。背後には、好結果の裏に隠れたレッドブルRB21に対する「重大な懸念」があった。
「ソフトタイヤでのショートランは悪くなかった。でも、それ以外は全部ダメだった」
エルマノス・ロドリゲス・サーキットは全長1.2km超のロングストレートを持ち、オーバーテイクが比較的容易なレイアウトだ。そのため、ポールポジションの優位性は限定的であり、決勝を通じた一貫したペースこそが勝敗を左右する鍵となる。
「グリップがまったくない」ロングランで露呈した課題
F1競技規則で定められたルーキー起用義務により、フェルスタッペンはアーヴィッド・リンブラッドにシートを譲り、FP1を欠場。週末最初の走行となったFP2では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.153秒上回ってトップタイムをマークした。
だが、当の本人は結果に満足していない。
「ミディアムでもショートランの感触は良くなかったし、何より一番の問題はロングランだ。かなり苦戦していて、そこがレースに向けた重大な懸念点なんだけど、何が原因なのかは、まだ分からない」
さらに、フェルスタッペンは問題の本質をこう語る。
「バランスが悪いわけじゃなくて、とにかくグリップがないんだ。そこが何よりの懸念材料だ。ロングランに入るとすぐにタイヤがオーバーヒートしてしまって、にっちもさっちもいかなくなるんだ。解決するにはかなり厄介な問題だよ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
フリー走行中、スタンドで応援するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)のファン、2025年10月24日(金) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
高地特有の難条件と、新パッケージ
標高およそ2,200メートルの高地に位置するエルマノス・ロドリゲス・サーキットでは、空気密度の低下により冷却効率が悪化し、タイヤを押し付けるダウンフォースも大幅に減少する。この特性が、フェルスタッペンが指摘した「タイヤのオーバーヒート」を引き起こしている要因の一つとみられる。
また、レッドブルが投入した新パッケージへの理解不足も一因である可能性がある。
レッドブルは今回、車体性能を引き上げる新型フロアとエッジウイング、そして冷却性能を高めたブレーキダクトとエンジンカバーを持ち込んでいる。
FP2ではフェルスタッペンがフロアにフロービズを塗布し、空力データの収集に取り組む姿があったが、まだ新パッケージの最適化には程遠い状況なのかもしれない。
「一発の速さよりレースペース」
直近4戦で3勝を挙げたフェルスタッペンは、ドライバーズ選手権で首位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)との差を着実に縮めている。とはいえ、その差はいまだ40ポイント。メキシコGPの結果は、逆転への道筋を左右する重要な一戦となるが、そのための鍵はショートランよりロングランにあるとフェルスタッペンは主張する。
「1周の速さだけじゃレースには勝てない。1周で速くても、レースでペースを発揮できないと本当に厳しい。だから僕なら、1周の速さよりレースペースがいい方を選ぶ」
得意のメキシコで6勝目を挙げ、タイトル争いを再び白熱させられるかどうかは、2日目に向けたレッドブルの改善次第だ。高地という特殊な環境の中で、新パッケージをいかに最適化し、最大の懸念であるタイヤの課題を克服できるか──そのすべてが鍵を握る。
2025年F1メキシコGPの初日FP2をトップで締め括ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.153秒差で退けた。3番手にはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が続く結果となった。
フリー走行3(FP3)は日本時間10月25日(土)26時30分から、公式予選は同日30時より1時間にわたってエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNおよびフジテレビNEXTで生配信・生中継される。