
角田裕毅「人生最悪のスタート」を嘆き、“逆転現象”に困惑…ラップダウン配慮も再び ― 好ペースも入賞届かず
角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、2025年F1第18戦シンガポールGP決勝で12位フィニッシュに終わり、惜しくもポイント圏には届かなかった。レース全体を通してロングランペースは上々だったが、序盤の順位喪失が最後まで響いた。
スタート直後に17番手まで後退
13番手からソフトタイヤでスタートした角田だったが、わずか2周で17番手まで順位を落とす波乱の滑り出しとなった。1周目にフランコ・コラピント(アルピーヌ)らに抜かれると、混戦の中でポジションを失い続けた。
「人生で一番ひどいスタートだったと思います」とレース後に振り返った角田。「スタート自体は悪くなかったのですが、行こうとしたスペースはどこも誰かに塞がれていて、完全にバラバラな状況でした」と、混乱の中で為す術がなかったと明かした。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ポジション争いを繰り広げる角田裕毅(レッドブル)とリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)、2025年10月5日(日) F1シンガポールGP決勝(マリーナベイ市街地コース)
早めのピット戦略で巻き返し図るも…
劣勢を挽回すべく、チームは13周目という誰よりも早いタイミングでピットストップを実行。クリーンエアーを得た角田は、前に18.5秒の空間が広がる理想的なポジションでコースに復帰した。
その後、安定したペースで走行を続け、43周目にはコラピントのミスを突いてオーバーテイクに成功。44周目にはスタートポジションの13番手まで挽回し、エンジンに問題を抱えて1周あたり0.3秒程度をロスしていたアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)を射程に捉えた。
終盤のラップダウン配慮
だが、ここで状況は一転した。
角田の後方から、チームメイトのマックス・フェルスタッペンを含む先頭集団が接近。道を譲る過程で大幅にタイムをロスした。そこには、前戦同様にチームメイトとチームへの配慮があった。
「アイザックを抜けるチャンスもありましたが、後ろからマックスが2位争いをしていたので、チームのためにも彼の邪魔をしないよう譲る判断をしました。正しい判断だったと思います」
そしてハジャーから一気に遠ざかると、残り5周、フレッシュなソフトタイヤを履いたカルロス・サインツ(ウィリアムズ)に抜かれ、12位でチェッカーフラッグを受けた。
「その後のペースが本当に良かっただけに、本当に残念です」と角田。「クルマに少しダメージがあった」とも打ち明けたが、何にせよスタートでの順位喪失が悔やまれる結果となった。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
カルロス・サインツ(ウィリアムズ)をリードする角田裕毅(レッドブル)、2025年10月5日(日) F1シンガポールGP決勝(マリーナベイ市街地コース)
改善、それとも停滞? “逆転現象”に困惑
レースペースの向上は今後への明るい兆しだが、その一方で不穏な空気も漂う。
これまでの角田は予選でまずまずの速さを見せながらも、決勝では苦戦する傾向が続いていた。だが前戦アゼルバイジャンGP以降はその構図が逆転し、ロングランが改善された一方で、1ラップペースが低下した。
特に今週末は、予選で限られた時間の中でタイヤを十分に機能させられず、Q2最下位に終わった。レースでは速く、予選で苦戦するという構図は、レッドブルのセカンドシート前任者たちに共通する傾向だ。
角田はロングランペースに手応えを得ているとする一方、「前戦から、タイヤの準備の仕方や1周のグリップの感じ方に違和感があり、アゼルバイジャンGPより前とは全く逆の状況になっています」と困惑した様子をみせ、原因究明が「必至」だと危機感をにじませた。
それでも角田は前を向く。
「今は1周の速さで少し苦しんでいますが、すべてをうまくまとめられれば結果はついてくると思います」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
決勝前にセブンティーンのバーノンとディノと写真を撮るレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンと角田裕毅、2025年10月5日(日) F1シンガポールGP(マリーナベイ市街地コース)
2025年F1第18戦シンガポールGP決勝レースは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を舞台とする次戦アメリカGPは10月17日のフリー走行1で幕を開ける。