
フェルスタッペンの去就、ベッテルの幹部復帰─ベルギーGPを前にマルコが明確見解
2025年F1第13戦ベルギーGPを前に、マックス・フェルスタッペンの去就、そしてセバスチャン・ベッテルの復帰を巡る憶測が過熱する中、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが口を開いた。
ホーナー問題には沈黙、一方でマックスには言及
マルコは母国オーストリアの『OE24』のインタビューに応じ、フェルスタッペンとベッテルについては明確な見解を示した。一方で、チーム代表を解任されたクリスチャン・ホーナーの件には触れなかった。事前に「一切コメントしない」と通達していたためだ。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ガレージ内で様子をうかがうクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)とヘルムート・マルコ(レッドブル・レーシング コンサルタント)、2024年9月21日(土) F1シンガポールGP FP3(マリーナベイ市街地コース)
イギリスGP終了後、フェルスタッペンがメルセデスのトト・ウォルフ代表とスペイン・イビサ島で会っていたとの報道についてマルコは、「誰と会おうとマックスの自由だ」と述べ、否定しなかった。
一方で、「我々には(2028年まで)有効な契約がある。マックスは我々のもとに留まるだろうと考えている」と語り、レッドブル残留に自信をのぞかせた。
フェルスタッペンとレッドブルの現行契約には、パフォーマンス指標と連動する「解除条項」が存在する。これは、チームが一定の競争力を失ったと見なされた場合、ドライバーが契約を一方的に解除できる特別条項だ。
その詳細は一切明らかにされておらず、全ては憶測の域を出ないが、有力視されているのは、ハンガリーGP後のサマーブレイクの段階で、ドライバーズ・ランキング4位以下の場合に解除条項が有効になるというものだ。
ちなみにマルコは、6月末に行われた第11戦オーストリアGPの週末時点で「発動条件は満たしていない」と明言している。フェルスタッペンは現在ランキング3位に甘んじており、4位のジョージ・ラッセル(メルセデス)との点差はわずか8ポイントに過ぎない。
ベルギーGPが分水嶺に
ランキング首位オスカー・ピアストリとの差は69ポイント。優勝2回分以上のビハインドを背負うフェルスタッペンだが、マルコは「理論上はまだ332ポイントが残っている。これは相当な数だ」と希望を捨てていない。
一方で、全てはRB21に搭載される予定の新パーツ次第という側面もある。マルコは「スパとブダペストで投入するアップデートが功を奏することを願っている」とした上で、スパでフェルスタッペンがマクラーレンに敗れ去った場合は、今季のタイトル争いは諦めざるを得ないとも認めた。
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2024年のF1ワールドチャンピオン獲得を喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とヘルムート・マルコ、2024年11月23日(土) F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)
今週末のベルギーGPは、今季3度目のスプリントフォーマットが採用される。金曜に1時間のフリー走行が行われた後、スプリント予選、スプリントレース、通常の予選と決勝という変則スケジュールが続く。
この限られた時間内に新パーツを正確に評価し、最適化することは、アップグレードに活路を見出すレッドブルにとって決定的に重要だ。
ベッテル復帰説は一蹴
ホーナー退任後のチーム再編を巡っては、セバスチャン・ベッテルがレッドブルのマネジメントに加わるのではないかという噂も浮上している。ベッテルは以前から、マルコの後任候補として取り沙汰されていた。
かつてレッドブルで4度の世界王者となったベッテルが“古巣復帰”するというストーリー性の高さから注目を集める話題ではあるが、マルコは「そのような話はない。今後もない」と明確に否定。ベッテル復帰説に終止符を打った。
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ニュルブルクリンクで行われたレッドブル・フォーミュラに参加するセバスチャン・ベッテル、2023年9月9日(土)