フェルスタッペン父「夢見ることすらなかった」ベガス不在の理由と眠れぬ夜、シゴキを含む4連覇への軌跡と誇り
息子マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が4年連続のF1ワールドチャンピオンを獲得したことについてヨス・フェルスタッペンは、「鳥肌が立つ」ほどの感動を覚えたと明かしたが、現地ラスベガスにその姿はなく、自宅でその瞬間を迎えた。
2021年のアブダビ、2022年のアメリカ、そして2023年のカタール。ヨスはこれまで、息子がタイトルを獲得する瞬間を常に傍で見守り、支えてきたが、ラスベガスのパドックでマックスを抱擁することはなかった。
スウェーデンの配信サービス、Viaplayとのインタビューの中でヨスは「体調が良くなかったんだ」と説明した。
「ちょっと風邪をひいてしまい、大事なレースの前にマックスにうつしてしまうのが怖かったんだ。それに時差もあるし、僕自身も別のレースが控えていたから、それに向けて備えなきゃならなかった」
自宅にいても緊張は隠せなかったようだ。
「朝の4時に目が覚めてしまい、眠れなかった。でも彼はやり遂げた。理想的な形ではなかったかもしれないが、大事なのは結果が出たことだ」とヨスは語った。
マックスは表彰台にすら上がれなかったが、それでもタイトル争いのライバル、ランド・ノリス(マクラーレン)に引導を渡すには5位フィニッシュで十分だった。
息子が史上5人目となる4年連続のタイトルを獲得したことについてヨスは、信じられないといった様子で「よくよく考えてみると、本当にクレイジーだ。誇りに思うしかない」と感慨深げに語った。
「F1は参戦するのすら本当に難しい。カートをやっている時は、いつかはF1に、いつかはレースに勝てる日が来ればと願うものだが、こうして今、4つ目のタイトルを獲得したなんて考えると…僕らは当時、そんなことを夢見ることすらなかった」
「時には厳しく接しなければならないこともあった。マックスは常にリラックスしたアプローチを取るタイプだが、彼は今、そのアプローチの恩恵を受けている」
「プレッシャーに対処する方法を知っているのは、僕が常にプレッシャーをかけ続けたおかげだ。彼がプレッシャーを乗り越え戦っている姿を見ると、ただただ誇りに思うばかりだ」
シーズンのハイライトについて尋ねられると、17番グリッドからの大逆転を果たし、11戦ぶりに勝利を収めた雨のサンパウロGPを挙げた。
「ブラジルだ。まさに驚くべき瞬間だった。後方から巻き返し、最後の10周で最速ラップを連発したあの走りは、僕の目にはタイトルを決定づけるものに見えた」とヨスは答えた。
マックスが更なるタイトルを争えるかどうかについて、ヨスは確信を持っていない。
「それは誰にも分からない。当然、そうなることを望んではいるが、今年の彼は最速のマシンに乗ってたわけではない。もしそうであれば、全てのレースで勝っているはずだ」とヨスは語る。
「来年、競争力を高めるためには状況を改善する必要がある。チームは何を変えるべきか理解している。だから、それを成し遂げられるかどうかは彼ら次第だ」