日没後のバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するアルファタウリ・ホンダAT02のピエール・ガスリー、2021年3月13日
Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1テスト《2日目》総合結果:レッドブル・ホンダ破損、ガスリーがメルセデスに僅差の2番手

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2021年F1公式プレシーズンテスト2日目のセッションが13日(土)現地10時から19時にかけてバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、メルセデスAMGが今季初めてタイムシートのトップに立った。

午前を担当したルイス・ハミルトンはターン13の出口でリアを失い、アウト側のグラベルに飛び出て身動き不能に。この日最初の赤旗の原因となり、レースコントロール車両(トヨタ・スープラ)でガレージに戻った後、再度コースに出るまで40分近くを失う事となった。

58周のマイレージを引き継ぎ午後にW12のステアリングを握ったボッタスは、全くの同数となる58周を加算。チェッカー直前にC5コンパウンドで1分30秒289を記録し、本テスト初となるトップタイムを刻んだものの、その背後にはアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが0.124秒の僅差で2番手に並んだ。

午前の角田裕毅から作業を引き継いだガスリーは他車の背後で周回を重ねるシーンがあるなど、より実戦を想定したような走りを見せた。周回数は単独87周と大量に積み重ねた。テスト2回目の登板となった角田裕毅は順調に周回を重ねて57周をマーク。明日の午後には予選ランに取り組むものと見られる。

レッドブル・ホンダは奇妙なアクシデントに見舞われた。

残り1時間20分というところで、ホームストレート終端に差し掛かったセルジオ・ペレス駆るレッドブル・ホンダRB16Bのエンジンカバーが突如破裂。飛び散った大量のデブリ回収のためにセッションはこの日2回目の赤旗中断を迎えた。

前方を走行するニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)のスリップストリームから飛び出し追い抜きに掛かった際の事故であったことから、急激な気流の変化に伴う影響と見られるが、現時点でチームからの説明はない。セッションは8分の中断を経て再開された。

幾らか走行時間を失った事もありこの日のレッドブル・ホンダは117周と、最多周回を刻んだミック・シューマッハ&ニキータ・マゼピンのハースが残した164周と比べるとやや見劣りするものとなったが、それでも上々の1日と言えよう。

ペレスはこの日、C2タイヤで周回を重ね続け、パフォーマンスランを行う事はなく、総合8番手でヘルメットを脱いだ。

金曜にサクヒールを襲った砂嵐は収まり、晴天に恵まれたこの日のセッションは気温23℃、路面34℃でグリーンを迎え、14時には気温24℃、路面40℃に上昇。その後は最終的に気温20℃、路面24℃にまで下がった。

日没を経て人工照明が灯されると、各車柔らかめのコンパウンドを履きパフォーマンスランに取り組んだ。トップ8は全て、午後の走行での計測タイムだった。

初日のメルセデスに続き、この日はアストンマーチンを信頼性トラブルが襲った。メルセデス製ギアボックスにトラブルが発生した事で交換を余儀なくされ、午前を担当したセバスチャン・ベッテルは殆どの時間をガレージで過ごす事となった。AMR21は初日も「些細な電気系統の問題」に足を引っ張られていた。

走行わずか10周でヘルメットを脱いだベッテルからバトンを受けたランス・ストロールは、午後の4時間で71周を走り込み3番手タイムを刻んだ。

アルピーヌA521をドライブするフェルナンド・アロンソ、2021年3月13日バーレーンテストCourtesy Of Alpine Racing

アルピーヌA521をドライブするフェルナンド・アロンソ、2021年3月13日バーレーンテスト

2年ぶりのF1復帰を果たすアルピーヌのフェルナンド・アロンソは、キレと一貫性のあるペースとリズムで128周を刻み、10番手タイムで1日を終えた。フィジカル・メンタル双方での準備は100%との主張は嘘ではないようだ。

今のところ、マクラーレンにメルセデス製エンジンへの切り替えのネガは見当たらない。午前を担当したダニエル・リカルドは初日に続いて暫定トップタイムをマーク。午後のランド・ノリスは4番手に名を刻んだ。ウォーキングのチームはPU切り替えのため、開発トークンをパフォーマンス向上に費やす事が出来なかった。

フェラーリは2名体制で作業を分担した。午前を担当したカルロス・サインツはターン7で高速ハーフスピンを喫する場面もあったが56周を計上。午後にSF21をドライブしたシャルル・ルクレールは73周と、トータル129周を重ねた。

8時間を一人でこなしたアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィは、パンクに見舞われ午後のロングラン中断を強いられる場面もあったが充実の125周を刻み、トップから0.471秒落ちの5番手タイムを残した。

Pos Driver Team Time Gap Tyre Laps
1 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:30.289 C5 56
2 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:30.413 0.124 C5 85
3 ランス・ストロール アストンマーチン 1:30.693 0.171 C5 70
4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:30.586 0.297 C4 52
5 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:30.886 0.471 C5 125
6 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:30.886 0.597 C5 73
7 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:31.672 1.383 C4 132
8 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:31.682 1.393 C2 117
9 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:32.215 1.926 C3 52
10 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ 1:32.339 2.050 C2 128
11 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:32.684 2.395 C4 57
12 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:32.883 2.594 C4 86
13 カルロス・サインツ フェラーリ 1:33.072 2.783 C3 56
14 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:33.101 2.812 C4 76
15 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:33.399 3.110 C2 58
16 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン 1:38.849 8.560 PROTO 10