2019-2020年WEC=世界耐久選手権第3戦 上海4時間レースが11月8日(金)に開幕を迎え、上海国際サーキットで2度に渡る1時間半の練習走行が行われた。サクセスハンデを課せられたTOYOTA GAZOO Racingの2台は、昨年よりもラップタイムが大きく低下。8号車が2番手、7号車が4番手で初日を締め括った。

初日の3時間の走行を終えたトヨタ勢は、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーの8号車が、トップのジネッタ6号車（チャーリー・ロバートソン、マイク・シンプソン、ガイ・スミス）から0.061秒遅れの2番手。マイク・コンウェイと小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車は0.852秒遅い4番手につけた。大きなトラブルはなく、2台で計915kmを走破。合計3時間に渡って、燃料消費、空力性能、車両セットアップ面で最大限の性能を引き出すべく作業に取り組んだ。

TS050 HYBRIDは、2017年に上海国際サーキットで1分42秒526のコースレコードを記録。WEC初参戦となった2012年と比較して、使用燃料が37.5%減らされていたにもかかわらず、5秒速いタイムをマークしていたが、今年は少し様相が異なる。

トヨタの各2台は今季ここまでの2戦で勝利を分け合っており、ドライバーズ選手権ポイントも同一で並んでいる。そのため2台は今回、ハイブリッド・パワーが約45%、燃料が7.5%削減された上に、最低重量が28kg増加されるという全く同じサクセス・ハンディキャップを課せられ、その結果として、ベストタイムは昨年の公式練習タイムより3秒も低下した。

初日を終えた小林可夢偉は「今週末は、我々にとって非常に厳しいレースなると思いますが、諦めずに戦い続けます」と語る。

「TS050 HYBRIDは非常にエネルギー効率の良い車両ですが、コース上の全域でサクセス・ハンディキャップの影響を受けているため、走行は簡単なものではありません。最も重要な事は、レースで出来るだけ多くのポイントを獲得することですが、明日の予選についても、決して諦めず、最後まで出来ることをトライしていきます」

ハンデについて中嶋一貴は次のように述べ、下位クラスのマシンのオーバーテイクにすら手を焼いていたと明かした。

「今回ここで速さを求めるのは確かに難しく、最大限のパフォーマンスを引き出し、ベストを尽くそうとトライしています。このコースはタイヤ摩耗やエネルギー消費管理の面でも非常に難しく、加えて我々はLMP2クラス車両やGTクラス車両をパスするのにも苦戦するなど、現時点ではまだやるべきことが多く残っています。やりがいがあることは確かですし、可能な限りよい結果を目指してプッシュしていきます」

トヨタ以外のノン・ハイブリッドLMP1勢は、相対的に速さを増しており、今週末の上海は、TS050 HYBRIDにとって大きな挑戦となることが予想される。

WEC上海4時間 LMP1公式練習2回目結果