FIA世界耐久選手権（WEC）最終バーレーン8時間レースの公式予選が11月5日(金)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO Racing（TGR）のGR010 HYBRID 7号車がポールポジションを獲得した。

小林可夢偉は1分46秒250をマークしてブレンドン・ハートレー駆る僚友8号車に0.290秒差を付け、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスと共に1ポイントを獲得。ドライバーズタイトル争いでのリードを16ポイントに広げた。

7号車は11月6日(土)に行われる決勝レースで完走を果たすと2021年ハイパーカーカテゴリーでのドライバーズチャンピオンを決める事になる。

小林可夢偉はシーズンをポール・トゥ・ウインの完勝で締め括りたいと考えているが、戦友、中嶋一貴の事を思うと複雑な心境のようだ。

「ドライバーズチャンピオン争いにとって重要な予選だということは2台のドライバー双方が分かっていましたので、今回はシーズンの中で最も厳しい争いとなりました」

「7号車は練習走行でやや苦戦を強いられていたため、僕自身ポールが取れるかどうかは自信がありませんでしたが、マイク、ホセとチームが大きな支えとなってくれました」

「車両のセットアップを大きく変更した事が効を奏しました。自分のアタックラップには満足していますし、チームの努力によるポールポジションだと思います。最終戦を勝利で終えることができれば最高です」

「明日は一貴の最後のレースという僕個人としても大切なレースとなります。彼は最高のドライバーであり、チームメイトでした。彼にとっても最高のレースになることを願っています」

7号車のリタイヤなくして8号車の逆転王座は叶わないが、ハートレーはその結末を望んではいない。

「7号車に問題が起こらない限り僕らがタイトルを獲得するのは困難になってしまったけど、そういう結果は望んじゃいない」とハートレー。

「一貴と共に、彼のラストレースで勝利を挙げて、輝かしいレースキャリアを優勝で終えられるように頑張りたい」

キャリア59戦目の今回がWECラストランとなる中嶋一貴はハートレー、セバスチャン・ブエミと共に自身にとっての17勝目を挙げ、2018-2019年シーズン以来となるタイトル獲得を目指す事になる。

決勝8時間レースは6日(土)現地14時（日本時間20時）にスタートを迎える。トヨタは前戦バーレーン6時間で既にチームタイトルを決めており、今回はWEC史上初となるシーズン全戦勝利を懸けての1戦となる。