
フェルスタッペン「馬鹿げてる」冷却ベスト義務化に猛反発―史上初の”ヒートハザード宣言”の裏で波紋
2025年F1第18戦シンガポールGPでは、史上初となる「ヒートハザード」が発令された。高温多湿の環境下で行われる週末を前に、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は冷却ベストの将来的な義務化案に強く反発した。
気温と湿度を組み合わせた体感指数が31度を超える場合、ドライバー冷却システムの搭載が義務付けられる。この新ルールは、2023年のカタールGPで複数のドライバーが極度の熱中症に陥った事例を受けて導入された。
冷却システムを構成する要素のひとつである冷却ベストの着用は現時点で任意だが、使用しない場合は公平性を保つため、マシンに0.5kgのバラストを搭載しなければならない。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
循環チューブを備えた冷却ベストを着用するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年F1シンガポールGP
「馬鹿げている」義務化に断固反対
初日フリー走行でベストを試したフェルスタッペンは、オランダの放送局『Viaplay』に対し「暑さはあまり苦にならないし、汗をかくのも問題ない。それに15〜20分もすればベスト自体が熱くなるんだ。まったく助けにならない」と語り、ベストを着用しない意向を明らかにした。
さらに、2026年以降の着用義務化に向けて議論が交わされる中、「個人の判断に任せるべきだ」と主張。「義務化には断固反対だ。正直、少し馬鹿げていると思う。結局のところ、自分の安全と体感の問題なんだから」と強調した。
持続時間と快適性:冷却ベストの課題
カルロス・サインツ(ウィリアムズ)やランス・ストロール(アストンマーチン)は、冷却ベストを概ね好意的に評価しているが、課題がないわけではない。
オリバー・ベアマン(ハース)は「早く溶ければ熱い水が循環するだけで、逆効果になりかねない」と指摘。冷却剤が短時間で熱を吸収し尽くし、内部を循環する液体が温水化してしまう現象に懸念を示した。
また、装着時の快適性にも課題がある。フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)はシートベルトとの干渉を訴え、エステバン・オコン(ハース)は「腰にテニスボールがあるような感じ」と語り、不快感を明かしている。