
角田裕毅、ベスト週末の裏で語った「課題と使命」―シート争いにおける”意義”と物議のベアマン攻防…連日入賞で存在感
13番手からスタートした角田裕毅は2025年F1第19戦アメリカGP決勝で、前日のスプリントに続いて再び、ポイント圏外からの逆転劇を演じて7位入賞を果たした。2日間で計8ポイントを獲得し、2026年のシート獲得に向けて存在感を示した。
レッドブル昇格後“ベストウィークエンド”と呼ぶにふさわしい活躍だったが、レース後の角田に満足の色はなかった。「もっと上位からスタートしてトップチームと戦えるようにしなければなりません」——予選での苦戦を繰り返さないことが、次の課題だと語った。
チームメイトのマックス・フェルスタッペンはポール・トゥ・ウインを飾り、5年連続のドライバーズタイトルに向け、マクラーレン勢との差をさらに縮めた。
スタート直後の猛攻—1周目で3台抜き、ポイント圏内へ
Courtesy Of Red Bull Content Pool
スタート直後のターン1出口でピエール・ガスリー(アルピーヌ)をリードする角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年10月19日(日) F1アメリカGP決勝レース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
スプリントレースで18番手から7位まで駆け上がった角田は、決勝でもスタート直後から積極的に仕掛けた。1周目に3台をオーバーテイクし、早くもポイント圏内の10番手に浮上する。
「今回もスタートは良かったです。最初の数周は自信を持って攻めることができたと思います。ペースは本当に、本当に良くて、その数周で何台かをオーバーテイクできました」と角田は振り返る。
3周目にはオリバー・ベアマン(ハース)をかわして9番手。さらに7周目、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)とアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)の接触に乗じて7番手へと浮上した。
序盤の角田は、まさに水を得た魚のようだった。
中盤のペース低下—タイヤマネジメントで誤算
だが、15周を過ぎたあたりから状況が変わり始めた。前方を走るジョージ・ラッセル(メルセデス)との差が徐々に開き始めたのだ。
角田は30周目、ソフトタイヤへ交換するも、期待されたペースの回復は見られなかった。角田自身、このスティントでのタイヤマネジメントに悔いを残している。タイヤを温存しすぎたことが、中盤以降のペース低下を招いた。
「全体的なペースはまずまずだったと思います。ただ第2スティントでは、もう少し良い仕事ができたかもしれません。スティント全体を通して、タイヤをほんの少しオーバーマネージしてしまったと思います」と角田は説明した。
ベアマンとの激しい攻防「極端に悪いことはしていない」
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スピンするオリバー・ベアマン(ハース)を横目にその脇を通過する角田裕毅(レッドブル)、2025年10月19日(日) F1アメリカGP決勝(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
35周目、背後から迫るベアマンがイン側を狙って飛び込んだ。角田はラインを閉じ、ベアマンは行き場を失ってグラベルに乗り上げスピン。9番手に後退し、無線で「ブレーキング中に動いた」と角田を非難した。
レース後、この場面について問われた角田はこう振り返った。
「彼のオンボード映像を確認する必要がありますが、結果的には明らかに残念な形になってしまいました。それまでは互いに激しく、フェアで良いバトルをしていたと思いますが、残念ながらああいった形になってしまいました。自分としては特に、極端に悪いことをしたとは思いません」
無線での抗議にもかかわらず、スチュワードによる調査は行われず、ベアマンにとっては厳しい結果となった。
一方でベアマンはレース後、角田の危険な走行は連日にわたるものであり、「レース精神に反する」などとして痛烈に批判した。
この混乱に乗じて、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)が8番手に浮上。角田の後方に迫ったが、徐々に接近を許すも角田は安全マージンをキープ。4.535秒差をつけ、7位でチェッカーフラッグを受けた。
一方で、チームにとってコンストラクターズ選手権争いの直接のライバルであるメルセデスのラッセルとの差は19.258秒。6位の背中は遠かった。
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決勝前のグリッドで準備をする角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年10月19日(日) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
「予選から上位で」—課題は明確
スプリントで2ポイント、決勝で6ポイント、合計8ポイント——スプリントではない通常のフォーマットで開催された2戦前のアゼルバイジャンGPに匹敵する季最高の成果を挙げたが、角田は決して満足していない。
「今週末、両方のレースでポイントを獲得できたのはポジティブなことだと思います」としつつも、「今後もこれを継続していくことが僕の使命です」と続ける。
「スプリントも決勝も、1周目に大幅にポジションを上げることができましたが、毎回これができるわけではないので、もっと上位からスタートしてトップチームと戦えるようにしなければなりません。それが今の僕の主な目標です」
「特に、できるだけショートランを改善させることが喫緊の課題です」
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18番手でのSQ1敗退を経てピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル)、2025年10月17日(金) F1アメリカGPスプリント予選(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
スプリント予選で18番手、公式予選で13番手——角田の課題は明確だ。予選でのパフォーマンスを向上させなければ、レースでの追い上げに頼る展開が続く。
そして、来季シート獲得を目指す角田にとって、「追い上げ」だけでは不十分だ。チームメイトのフェルスタッペンが毎回ポール争いをしている中、角田はQ3進出すら安定していない。
チャンピオンシップ争いへの意識
角田はまた、チーム全体の目標についても言及した。
「コンストラクターズ選手権でチームに貢献することも非常に重要です。僕たちはまだ諦めていません。そしてもちろん、マックスのドライバーズ選手権についても諦めていません」
フェルスタッペンの優勝に加え、角田の活躍によりレッドブルは、スプリントに続いて全チーム最多得点を稼ぎ出し、コンストラクターズ選手権3位のフェラーリに3ポイント、2位メルセデスに対して7ポイント差にまで詰め寄った。
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シャンパンシャワーで優勝を祝うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2位ランド・ノリス(マクラーレン)、クリス・ジェント(レッドブル チーフメカニック)、2025年10月19日(日) F1アメリカGP決勝(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
いよいよ最終判断の舞台メキシコへ
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、次戦メキシコGP後に来季のレッドブルおよびレーシング・ブルズのドライバーラインナップを決定すると明言している。
2026年のシート獲得に向け、今週末のパフォーマンスの重要性を問われた角田は、「間違いなく重要です。それが僕のやらなければならない仕事ですので」と答えた。
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決勝レースを前にパドックでレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコと話す角田裕毅、2025年10月19日(日) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
アーヴィッド・リンブラッド昇格の可能性が取り沙汰される中、角田とリアム・ローソン、どちらが2026年のシートを掴むのか——その最終判断は、次戦メキシコGPの結果に委ねられている。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での好走により、角田はランキング14位のローソンとの差を2ポイントにまで縮めた。一方のローソンは2戦連続でノーポイントに終わっている。
とはいえ、マルコが見ているのは単なるポイント差ではない。予選での速さ、レース中の判断力、チームとのコミュニケーションなど——それらすべてが評価基準だ。
次戦メキシコGPは現地時間10月24日のフリー走行1で幕を開ける。角田の運命を左右する最終決戦が、いよいよ始まる。
2025年F1第19戦アメリカGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。