
FIA、アメリカGPでも「ヒートハザード」─2戦連続の異例対応
国際自動車連盟(FIA)は、2025年F1第19戦アメリカGPにおいて、2戦連続となる「ヒート・ハザード」を宣言した。前戦シンガポールGPに続く異例の事態であり、気温と湿度を組み合わせた体感指数が31℃を超える見込みとなったため、今季導入の新ルールが再び適用されることになった。
ヒート・ハザード宣言下では、各チームはマシンに冷却システムを搭載することが義務付けられる。ドライバー用の冷却ベストは現時点で着用が任意だが、着用しない場合はマシンに0.5kgのバラストを搭載しなければならない。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
循環チューブを備えた冷却ベストを着用するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年F1シンガポールGP
F1史上初めてヒート・ハザードが発令された前戦シンガポールGPでは、一部のドライバーがこの制度に不満を表明し、2026年の義務化に反対の意思を示した。FIAは年内にドライバーたちとの協議を行い、医学的データを提示した上で冷却ベスト制度の将来を検討する方針だ。
特に声高に意見を述べたのがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。冷却の持続時間が短く「まったく役に立たない」とし、「義務化には断固反対だ。正直、少し馬鹿げていると思う。結局のところ、自分の安全と体感の問題なんだから」と語った。
一方でFIAは、設定基準の「31℃」がやや保守的である可能性を認めつつも、この制度の目的は危険な気候条件を理由とするレースの中止という最悪の事態を回避することにあると強調する。冷却ベストの着用義務化は時間の問題とみられ、FIAには現時点でその方針を撤回する考えはない。