運任せじゃない―角田裕毅、“再現性ある手応え”を胸に…バクーと真逆のシンガポールに自信を持つ理由

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高ダウンフォースのマリーナベイ市街地コースはレッドブルのマシン特性上不利とされるが、それでも角田裕毅は「前戦と同じような勢いを維持できる」と自信を見せる。その根拠はどこにあるのか。

バクーで掴んだ“再現性ある成果”

前戦アゼルバイジャンGPで角田は今季最高位となる6位入賞を果たし、2021年アブダビGP以来の好成績を収めた。チームとしても今季最多の33ポイントを獲得し、王者復活への兆しを強めた。

シンガポールGPを前にした取材で角田は、その結果を“再現性のある成果”として捉えていることを明かした。

「これまではポイントを獲れた時も運の要素を感じることがありましたが、バクーはそうではなく、運に頼らず掴んだものでした。だから自信が深まりましたし、今まで以上にモチベーションも高いです」

パドックでファンと交流する角田裕毅(レッドブル)、2025年10月2日(木) F1シンガポールGPメディアデー(マリーナベイ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

パドックでファンと交流する角田裕毅(レッドブル)、2025年10月2日(木) F1シンガポールGPメディアデー(マリーナベイ市街地コース)

低から高へ─対照的な挑戦

バクーは低ダウンフォースの超高速市街地コースだが、マリーナベイは狭く曲がりくねった低速コーナーが連続し、高ダウンフォースが要求される。単純に考えれば、バクーでの好調をそのまま持ち込むのは難しい。その難しさ自体については、角田も認めている。

「基本的には低ダウンフォース寄りのサーキットの方が僕らのマシンには合っています。一方でシンガポールは路面がバンピーで、歴史的にレッドブルのマシンは必ずしも得意ではありませんでした」

だが、2023年に実施されたレイアウト改修で第3セクターのシケインが廃止され、コースは従来より低ダウンフォース寄りにシフトした。角田はこれを追い風と捉えている。

さらに別の自信の源もある。角田は昨年大会で予選Q3進出を果たし、決勝では12位と入賞を逃したが、その原因はシーズンを通してVCARB 01が抱えていたローンチの問題にあり、個人としてのパフォーマンスは評価される内容だった。

「このサーキットは大好きです。去年は特に予選でいい感触を掴めて、本当に楽しめました。決勝では惜しくもポイントを逃しましたが、全体的にペースは良かったです」と振り返り、自身との相性にも自信を示した。

マリーナベイ市街地コースを周回する角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年9月20日(金) F1シンガポールGP FP2Courtesy Of Red Bull Content Pool

マリーナベイ市街地コースを周回する角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年9月20日(金) F1シンガポールGP FP2

開発を止めないチャンピオンチームの姿勢

さらに角田は、チームが依然として新しいセットアップを試み、進歩を重ねていることを大きな強みと捉えている。

「今は良い流れにあると思います。毎レースでセットアップを前進させ、正しい方向に進めています。シーズン後半になると他チームはまとめにかかることが多いですが、僕らはまだ貪欲に新しいことを試しています。それがチャンピオンチームの姿勢だと感じていますし、僕自身も楽しんでいます」

笑顔を見せる角田裕毅(レッドブル)、2025年10月2日(木) F1シンガポールGPメディアデー(マリーナベイ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

笑顔を見せる角田裕毅(レッドブル)、2025年10月2日(木) F1シンガポールGPメディアデー(マリーナベイ市街地コース)

セットアップの試行錯誤を続けてきたことで、以前は苦手としていたサーキット特性でも戦える手応えを掴みつつあるという。

「たとえハンガリーやオランダのようなハイダウンフォースサーキットであったとしても、今であれば違った戦い方ができるはずです」

チームプレイヤーとしての視点

一方で、チームメイトのマックス・フェルスタッペンがタイトルを争う状況にあるなか、チーム内における自らの役割についても意識を向けている。

前戦ではレースを通してランド・ノリス(マクラーレン)と激しいポジション争いを展開。終盤には順位を上げることよりも、チームとフェルスタッペンの選手権争いを重視し、後続のノリスを抑えることを優先した。

「単にマックスを助けることが目標というわけではありません。ドライバーとしては、常にチームメイトと競いたいものです。ただ、マックスはチャンピオンシップで僕より上にいて、タイトルに近い位置にいます」と角田は語る。

「レース全体を通してノリスと戦い続け、マクラーレンより前でフィニッシュできるチャンスがあった以上、チーム全体の利益を最大化するという意味で、『今回はチームを助けてもいいかもしれない』と思いました」

来季シート争いの行方と自信

もちろん角田にとって来季シートの確保は最優先事項だ。だが今の彼には、自らの速さでチームに貢献できるという自信がある。

「最近は総合的にうまくまとまり始めていますし、自信もこれまで以上に持てています。あとは全てをまとめ上げるだけです。いい結果を残せることを願っています」

運ではなく、地道な改善と努力に裏打ちされた自信。それを武器に角田裕毅は熱帯夜のシンガポールで再びポイント獲得を狙う。前戦6位で得た勢いを持ち込めるか。その挑戦は過酷なナイトレースで試されることになる。

ファンにサインをする角田裕毅(レッドブル)、2025年10月2日(木) F1シンガポールGPメディアデー(マリーナベイ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ファンにサインをする角田裕毅(レッドブル)、2025年10月2日(木) F1シンガポールGPメディアデー(マリーナベイ市街地コース)

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