レッドブル”完全復活”か─潮目変わるF1タイトル戦とマクラーレンの危機感「もはや全サーキットで勝てる」とステラ警戒

  • Published:
  • Googleで優先するソースとして追加する

シーズン最終盤を前に、F1ドライバーズタイトル争いの潮目が変わりつつある。

2025年F1第19戦アメリカGPのスプリント予選で、マックス・フェルスタッペンが鮮やかにポールポジションを奪取。この結果を受け、マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、レッドブルRB21が「あらゆるタイプのサーキットで勝利やポールポジションを争える競争力」を取り戻したと認めた。

41ポイント差を詰めた男─怒涛の追い上げ

スプリント予選後にパルクフェルメでインタビューを受けるポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年10月17日(金) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)Courtesy Of Red Bull Content Pool

スプリント予選後にパルクフェルメでインタビューを受けるポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年10月17日(金) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)

8月のオランダGPを終えた時点で、ドライバーズランキング首位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に104ポイント差をつけられていたフェルスタッペンだが、直近4戦で2勝、2度の2位という安定した成績を重ね、その差を63ポイントまで縮めた。

その勢いはオースティンでも止まらない。SQ3で完璧なアタックラップを決め、SQ1とSQ2を制していたランド・ノリスをわずか0.07秒差で退けポールを獲得。高速コーナーとテクニカルセクションが混在し、マシンの総合力が試されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でトップに立ったのは、レッドブルだった。

この結果についてステラは、「レッドブルが明らかにマシンを改善したことを裏付けるものだ」と分析し、「彼らはいま非常に競争力があり、あらゆるタイプのサーキットで勝利やポールポジションを争える状態にある」と危機感をのぞかせた。

0.07秒差の壁─失望の一方、手応えを得るマクラーレン

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を周回するランド・ノリス(マクラーレン)、2025年10月17日F1アメリカGP FP1Courtesy Of McLaren

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を周回するランド・ノリス(マクラーレン)、2025年10月17日F1アメリカGP FP1

フェルスタッペンに敗れはしたものの、マクラーレンもCOTAで高い競争力を見せている。

「少しばかり苦戦したサーキットとは異なり、ここでは我々も競争力を発揮できている。これは前向きな材料だし、今日の結果は決して悪いものではない。ただ、目標はあくまでポールポジションだ」

ステラはこう語り、悔しさを滲ませつつも、スプリントと本予選に向けてさらなる改善の余地があると前向きな姿勢を示した。

「とはいえ、これは明日のスプリントに向けて良いベースになったと思うし、パフォーマンスを改善する上で、どこを微調整すべきかを見極めるための土台にもなった。明日はもう一度ポールポジションを狙いにいく」

そしてステラには、スプリントレースでの逆転に期待を託せるだけの確かな自信がある。

摂氏30度超の戦場─狙うタイヤ戦略勝負

鍵を握るのは、オースティンの灼熱と、MCL39が誇るタイヤマネジメント性能だ。今週末の気温は連日30度を超える予報となっている。

「ここオースティンでは、タイヤのデグラデーションがより大きくなるはずだ。ここのコンディションは非常に暑い」とステラは指摘する。

このところのレースではタイヤの劣化が限定的で、やや単調な展開になっていた。だが今回は違う。高温のコンディションが故にタイヤマネジメントが勝敗を分ける要素となり得る。スプリントにしろ決勝にしろ、戦略の幅が大きく広がる可能性がある。

そしてこの条件こそが、マクラーレンの強みが活きる舞台だとステラは自信を覗かせる。

「通常、我々のマシンはタイヤのデグラデーションが大きい状況で良好なパフォーマンスを発揮する。だからそういった点も含めて、明日のスプリントレースを楽しみにしている」

インタビューに応じるマクラーレンのアンドレア・ステラ代表、2025年10月17日(金) F1アメリカGPスプリント予選(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)Courtesy Of McLaren

インタビューに応じるマクラーレンのアンドレア・ステラ代表、2025年10月17日(金) F1アメリカGPスプリント予選(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)

三つ巴の頂上決戦へ─タイトル争いの行方

レッドブルの復調は、チャンピオンシップ争いの構図を揺るがしつつある。依然としてマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリが主役であるものの、フェルスタッペンは両者の脅威となりつつある。

現地時間の土曜午後に行われるスプリントレースは、わずか19周という短距離戦ながら、チャンピオンシップポイントが懸かる重要な一戦となる。

ポールポジションからスタートするフェルスタッペンが逃げ切るのか。あるいは、タイヤマネジメントに優れるマクラーレン勢が灼熱のテキサスで逆転劇を演じるのか。

ステラの言葉通り、戦略が勝敗を左右し得る週末の幕が、今まさに上がろうとしている。そしてそれはスプリント以上に、日曜の決勝で大きな鍵を握ることになるだろう。


2025年F1アメリカGPスプリント予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス、3番手にオスカー・ピアストリと、マクラーレン勢がこれに続く結果となった。

スプリントは日本時間10月18日(土)26時から、公式予選は同30時から1時間に渡ってサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1アメリカGP特集