
角田裕毅「あまりに酷いマネジメント」で苛立ちの18番手敗退―ローソンではなく”彼ら”に向けられた不満の矛先
「は?どういうこと!?」
2025年F1第19戦アメリカGPのスプリント予選SQ1。18番手で敗退したことを告げられた角田裕毅(レッドブル・レーシング)の無線から、驚きと苛立ち混じりの声が漏れた。
チームメイトのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得する一方、角田はSQ2進出すら果たせなかった。原因は、コースインのタイミングを誤ったことによる時間切れだった。最終アタックを開始する前にチェッカーフラッグが振られ、走行機会そのものを失ったのだ。
来季シート獲得へ向けた”最終試験”とも言える残り2戦。その初戦で、角田は想定外の形で躓いた。
1.119秒差からの挽回を目指すも、時間切れ
SQ1の1回目のアタック。角田はターン1・11の突風の影響もあり、フェルスタッペンから1.119秒遅れという厳しいタイムを記録した。この時点で14番手。SQ2進出のためには、最終アタックでのタイム更新が不可欠だった。
だが、レッドブルが彼をコースに送り出したタイミングはあまりに遅かった。コース上はアタックラップへ向かうマシンとインラップのマシンが入り乱れて大混雑。角田もその渋滞に巻き込まれ、アタックを開始する前にセッション終了を迎えた。
スプリント予選は通常の予選と異なり、各セッションの時間が短い。1回目のラップを終えてステイアウトさせるか、それとも一旦、ピットに戻すか――後者を選んだ、このわずかな判断ミスが、取り返しのつかない結果を招いた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
18番手でのSQ1敗退を経てピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル)、2025年10月17日(金) F1アメリカGPスプリント予選(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
ローソンとのバトル、そして”彼ら”への不満
最終アタックに向かうアウトラップのターン1で、角田は来季シート争いのライバル、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)とトラックポジションを巡って争う形となった。
セッション後、この場面について問われた角田は、複雑な表情を浮かべながらこう語った。
「まあ…いつもの彼って感じですね。正直、それ以上のことではありません。どちらかといえば、ガレージを出るタイミングの問題だったと思います。たぶん彼が少し近かったのかもしれません」
角田の不満の矛先はローソンに向けられたものではなかった。ペース的には少なくともSQ2進出に十分届く速さを備えていただけに、彼の苛立ちはなおさら強かった。
「正直、何が起きたのかよくわかりません。でも、何かがうまくいかなかったのは確かです。ラップタイムを記録するチャンスすらなかったので、本当に残念です」
「すごく悔しい。自分にはどうすることもできませんでした。…正直、僕がどうこうできることでも、僕らとしてコントロールできることでもありませんでした」
そして、こう続けた。
「ただ、ほとんどは僕自身というより”彼ら”にかかっていました。タイミングのマネジメントは、あまりに酷いものでした」
角田はまた、最終アタックを走れなかった原因について問われると「わかりません…調べてみます」とだけ返し、シニカルな笑いを浮かべた。
なぜコースインが遅れたのか、その詳細は明らかにされていないが、彼の発言は、角田自身がコントロールできない要因、つまりチーム側の判断やコミュニケーションに問題があったことを示唆するものと言える。
実際、チーム代表のローラン・メキーズは、チーム側の判断ミスが角田の敗退の要因であると認め、公式に謝罪した。
一方で、最初のアタックでラップをまとめていればSQ2進出は手堅かっただけに、角田自身に一切の非がないわけではない。
非情な現実、そして巻き返しへの挑戦
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザー、ヘルムート・マルコは週末に先立ち、「メキシコGPの後に決断する」と明言した。
角田とローソン、どちらが2026年のシートを手にするのか――その命運を懸けた残り2戦は、皮肉にも自らの力ではどうすることもできない要因によって、出鼻をくじかれる形で幕を開けた。
今回の敗退は、角田のドライビングによるものではない。だが、F1の世界は非情だ。新型フロントウイングが再び与えられなかったとしても、チームの判断ミスによってアタックの機会を失ったとしても、理由がどうであれ、公式記録に残るのは「18番手」という結果のみだ。
アメリカGPではまだスプリントレース、そして本予選と決勝レースが残されている。角田はこの悔しさをバネに、巻き返しを図ることができるだろうか。
COTAでの戦いは、まだ始まったばかりだ。
2025年F1アメリカGPスプリント予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス、3番手にオスカー・ピアストリと、マクラーレン勢がこれに続く結果となった。
スプリントは日本時間10月18日(土)26時から、公式予選は同30時から1時間に渡ってサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。