レッドブルF1、新風洞建設プロジェクトに問題発生か…申請撤回
レッドブル・レーシングが英国ミルトンキーンズに建設を予定している新しい風洞施設は計画通りに事が進んでいないようだ。伝えられるところによるとチームは現地当局への建設申請を取り下げた。
2004年のジャガー買収以来、レッドブルは本拠から車で30分ほどの距離のベッドフォードにある風洞施設を使用している。これは第二次世界大戦の際に航空機開発のために着工された施設をルーツとするもので、後にF1用に転用されアロウズ・グランプリが使用していた。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ曰く、70年超という老朽化したこの風洞は「狂ったように長く、断熱性能が低いため、暖まるまで時間がかかる」という。そこでレッドブルは生前のディートリッヒ・マテシッツに許可を得て、新たな風洞の建設プロジェクトをスタートさせていた。
だがF1ジャーナリストのサム・コリンズは、レッドブルが現地当局への建設申請を取り下げた事を明かし、「撤回の理由はまだ明らかにされていないが、チームは新しい建設場所を見つけるか、あるいは計画を大幅に修正しなければならないのかもしれない」と伝えた。
一方で「パワーユニットのための新たな施設は計画通りに進行している。まだ計画許可は下りていないが、それほど大きな反対の声は出ていないようだ」とも伝えた。
現状では、フォードのサポートを得てリリースされる初のレッドブル製F1パワーユニットが搭載される2026年型F1マシンの開発に間に合わせるのは難しい情勢だ。マルコは以前、新風洞の稼働には「2〜3シーズンはかかる」と説明した。
(続報)新しい別の報道によると、パワーユニットの新施設とファクトリーの拡張に伴い、風洞施設の建設場所を若干変更するために申請を撤回した可能性があるという。この場合、計画への遅れは限定的になるものと見られる。