FIA世界耐久選手権（WEC）第4戦ル・マン24時間レースの開始から6時間が経過した時点で7号車GR010 HYBRIDが首位を維持し、8号車が1分27秒148遅れの2番手につけ、TOYOTA GAZOO Racingが1-2体制を築いている。

8月21日(土)現地時間16時にウェットコンディションでスタートした第89回ル・マン24時間レース。2番グリッドのセバスチャン・ブエミ駆る8号車は、スタート直後の最初のシケインへの進入の際に4番グリッドの708号車グリッケンハウスに追突されスピンを喫した。

この事故の影響で2番手から58番手にまで後退と、最初の1周を終えて最後尾近くにまでポジションを落とす波乱の幕開けとなった。レースコントロールは708号車に事故の責任があると判断。10秒加算ペナルティを科した。

ただブエミはその後、怒涛の追い上げによって10周目にトップ10にまで巻き返すと、乾き出した路面に合わせてスリックタイヤに交換。レース開始から1時間を経て首位と約1分差の3番手にまで浮上すると、16周目にLMP2クラスの38号車イオタをパスして2番手を取り戻した。

ヘルメットを脱いだブエミは「最初のコーナーで後から追突されてしまった。波乱のスタートだった」と振り返った。

「あの状況だとグリッド全体に追い抜かれてしまう。最悪のタイミングと場所でのアクシデントだった。その後も接触など幾つかのドラマに見舞われる波乱万丈の展開が続いた」

「それでもなんとか追い上げてトップ争いに復帰できた。僕がクルマを下りた直後に、セーフティカーが導入された事でタイムを失ってしまったけど、長いレースはまだ始まったばかりだ」

接触事故もさる事ながら、1-2とは言えども決して順風満帆ではない。

コンウェイ駆る7号車は序盤のクラッシュによるデブリの影響か、2度に渡ってパンクに見舞われ予定よりも早いピットインを強いられた。8号車の方もブレンドン・ハートレーへと交代した3時間過ぎ、98号車アストンマーチンのクラッシュによるセーフティカー導入に伴い首位7号車との差が1分以上開き、更には5時間を経過して夜を迎えたタイミングで右リアのパンクに見舞われている。

第1走を担当した7号車のコンウェイは「スリックに履き替えた後とも小雨が降るなど決して楽なスティントじゃなかったけど、兎に角、ミス無くクリーンに走ることを心掛けた。縁石にも乗らず慎重にドライブしていただけに、2回もパンクしたのは不思議だけど、単に運が悪かったんだろうね」と語った。

LMP2クラスはロバート・クビサ擁する41号車チームWRTが、LMGTE Proクラスは51号車AF Corseが、そしてLMGTE Amクラスは33号車TF Sportがクラストップを走行している。

2021年ル・マン24時間レース 6時間経過順位