チーム内闘争鎮火? ハース勢、F1イタリアGPで衝突もマゼピンがシューマッハに謝罪
ニキータ・マゼピンは9月12日に開催されたF1イタリアGP決勝レースで僚友ミック・シューマッハに衝突する事故を引き起こしたが、素直に自身のミスを認めて謝罪を口にした。チーム代表のギュンター・シュタイナーはこれを前向きに捉えている。
ハースF1チームのルーキー・ドライバー間には緊張感が漂っており、これまでに幾度となく意見を衝突させてきた。直近では前戦オランダGPの予選でマゼピンがシューマッハに憤りをあらわにし、翌日のレースでは積極的なブロッキングで逆にシューマッハを怒らせている。
モンツァでの第14戦では、ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンの劇的クラッシュによるセーフティーカー明けの2ラップ目に、15番手を狙ってシケインのイン側に突っ込んだマゼピンがシューマッハをスピンさせてしまった。
当初マゼピンは無線で、チームメイトがイン側を締めてきたとシューマッハを非難していたが、42周目にパワーユニットのトラブルでリタイアした後、自らの非を認めた。
「あれは僕のミスだ。謝罪することは何も恥ずべきことじゃない」とマゼピン。
「僕らはこれからも多くの間違いを犯す事になると思うけど、最も重要なことは一人の人間であり続ける事だ」
「あれは僕のミスで、議論の余地はない。故意じゃなかったとしてもペナルティを受けるのは当然だし、彼があれであまりタイムを失わなかったのは運が良かった」
「ミックが早めにブレーキをかけたように感じたから自分のノーズを突っ込んでみたんだけど、自分のコーナーだと主張するには不十分だった」
なおリタイヤの理由についてマゼピンは「多分エンジンが壊れてしまったんだと思う。パワーが全て無くなってしまい、続けるにはユニット全体が危ぶまれる状況だった。修復する事ができず、チームから即座にクルマを停めるよう言われた」と説明した。
一方のシューマッハは一件について、事故の映像を見直していないとしてマゼピンを批判することはなかった。
衝突の責任が自身にあるとマゼピンが認めた事は前向きかと問われたシューマッハは「うん、そうだね、繰り返しになるけど、僕らは問題が起きる事を望んじゃいないんだ」と答えた。
「チームとして仕事をしなければならないし、チームを前進させたいと思っている。それが今の僕らにとって大切な事だからね」
1週間前に激しい火花を散らしていた状況と比べれば、今回は明らかに両者ともに冷静だ。ギュンター・シュタイナーは若いドライバー達の成長に満足しているようだ。
チームのボスは「2人は前回レースから学んだと思う」と一件を振り返った。
「今は前に進もうと頑張っているし、チームからの提案を受け入れようとしている。今日はこういう事が起きたが、今後はこの手の事が減ることを願っている」