2022年シーズンのNTTインディカー・シリーズ開幕セント・ピーターズバーグの決勝がフロリダ州現地2月27日(日)に行われ、チーム・ペンスキーのスコット・マクラフリンがポール・トゥ・ウインで初優勝を飾った。

暑い日差しが地面に降り注いだこの日の100周に渡るレースでは、前日の予選でキャリアベストを更新したシリーズ2年目の28歳が危なげないレースを展開。レースの半分にあたる49周でラップをリードし、迫る昨年王者のアレックス・パロウ（チップ・ガナッシ）を0.5095秒差で退けて見事トップチェッカーを受けた。

デイル・コイン・レーシングの佐藤琢磨は、2回目のプラクティスでアンドレッティ・オートスポーツのロマン・グロージャンの「無謀」な追突によって走行時間をロス。準備不足のまま予選を強いられ22番手と大きく出遅れたが、決勝では適切なタイヤ戦略を以て12ポジションアップと大躍進。トップ10フィニッシュを飾った。

レースはセントピーターズバーグ市街地コースを100周、距離にして181マイル、291kmで競われた。全26台が参加。ダルトン・ケレット（A.J.フォイト）がメカニカルトラブルで、ルーキーのデイビット・マルカス（デイル・コイン）が接触でリタイヤした。

レッドタイヤのデグラデーションが大きく、ピット回数を如何に最小限に抑えてブラックタイヤでロングランをこなすかが勝負の分かれ目の一つとなった。

佐藤琢磨はブラックタイヤを履いてスタートすると1周目を終えて19番手に浮上。レッドタイヤ勢は10周に満たない段階で続々とピットへと向かいブラックタイヤに交換した。

タイヤの性能差を利用せずにオーバーテイクは厳しい状況で、100周を通してコース上でのアクションはあまり多くはなかったが、25周目という早い段階でマルカスがターン3のアウト側の壁に単独クラッシュ。この日唯一となるイエローコーションが出された。

このタイミングで第一ステントを引っ張っていた各車が一斉にピットイン。レースは34周目にリスタートを迎えた。

混乱を掻い潜り、第2スティントでレッドタイヤに履き替えた後も安定したペースを刻んだ佐藤琢磨は、66周目に最後のピットストップを消化。ラスト7周というところでマーカス・エリクソン（チップ・ガナッシ）にオーバーテイクを許して一時はトップ10から転落したものの、残り3周でクリスチャン・ルンガーを抜き去りポジションを戻すと、10位でチェッカーフラッグを受けた。

ハイライト動画

Indycar 2022年開幕セント・ピーターズバーグ決勝結果