ホンダとレッドブル、栄光の8年間に幕―72勝と4度の王座を刻んだ「黄金のF1パートナーシップ」が完結

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2025年12月7日、F1最終戦アブダビGPのチェッカーフラッグとともに、ひとつの時代が終わった。ホンダは、同グランプリをもってレッドブル・パワートレインズ(RBPT)へのパワーユニット(PU)技術支援を終了した。

これにより、2018年から始まったホンダとレッドブル・グループのパートナーシップは、当初の契約通り、その歴史に区切りをつけることとなった。

両者が共に歩んだ8年間で積み上げた記録は、出走172戦、ポールポジション51回、表彰台141回、そして優勝回数は72を数える。さらに、4度のドライバーズタイトルと2度のコンストラクターズタイトルを獲得。F1の歴史にその名を深く刻み込む、圧倒的な黄金時代だった。

レッドブル・グループとの8年に渡る協力関係の終了と感謝を告げるホンダのグラフィック、2025年12月8日Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

レッドブル・グループとの8年に渡る協力関係の終了と感謝を告げるホンダのグラフィック、2025年12月8日

トロロッソとの出会い、そして世界の頂点へ

この物語は2018年、ホンダがスクーデリア・トロロッソ(現在のレーシング・ブルズ)にPU供給を開始したことから始まった。マクラーレンとの提携解消を経て、傷ついたホンダを迎え入れたのがレッドブル・グループだった。

翌2019年にはレッドブル・レーシングへの供給も開始。第9戦オーストリアGPで、マックス・フェルスタッペンがホンダにとって復帰後初となる勝利を挙げると、そこから快進撃が始まった。

2018年、スクーデリア・トロロッソ・ホンダのマシンとフランツ・トスト代表、ピエール・ガスリー、ブレンドン・ハートレー、ジェームス・キー、田辺豊治Courtesy Of Honda

2018年、スクーデリア・トロロッソ・ホンダのマシンとフランツ・トスト代表、ピエール・ガスリー、ブレンドン・ハートレー、ジェームス・キー、田辺豊治

そして2021年。フェルスタッペンが最終戦までもつれ込む激闘を制し、同年限りでPUサプライヤーとしての正式参戦を終了するホンダに、アイルトン・セナ以来30年ぶりとなるドライバーズタイトルをもたらした。あの瞬間の歓喜は、今も多くのファンの記憶に焼き付いている。

22戦21勝。F1史に残る「無敵」の証明

2022年以降、ホンダはHRC(ホンダ・レーシング)を通じたRBPTへの技術支援という形に移行したが、その絆と強さは増すばかりだった。

特に2023年シーズンは圧巻だった。レッドブル・レーシングは22戦中で21勝を挙げるという、F1史上類を見ない勝率を記録。2年連続となるダブルタイトルを獲得し、ホンダ製PUの信頼性と性能の高さを世界に見せつけた。

鈴鹿サーキットで2年連続、通算6回目のコンストラクターズ選手権タイトル獲得を祝うマックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシング、2023年9月24日F1日本GPCourtesy Of Red Bull Content Pool

鈴鹿サーキットで2年連続、通算6回目のコンストラクターズ選手権タイトル獲得を祝うマックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシング、2023年9月24日F1日本GP

2024年にはフェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇を達成。ホンダの技術は、絶対王者の走りを支え続けた。

そして迎えた2025年のラストシーズン。レッドブルはコンストラクターズ3位、フェルスタッペンはランキング2位、レーシング・ブルズはコンストラクターズ6位で戦いを終えた。最終年に王座を守ることは叶わなかったが、最後までトップ争いを繰り広げたその姿は、最強のパートナーシップにふさわしいものだった。

決勝後にピットレーンで勝利を祝うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とHRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

決勝後にピットレーンで勝利を祝うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とHRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)

HRC渡辺社長「F1の最前線に関われたことを誇りに思う」

8年間の旅路を終え、株式会社ホンダ・レーシングの渡辺康治代表取締役社長は、パートナーへの感謝と誇りを口にした。

「8年間にわたり、両チームおよびレッドブル・パワートレインズとの強い協力関係のもとで、F1の最前線に関わり続けられたことを誇りに思います」

「この期間にオラクル・レッドブル・レーシングが達成した数々の勝利とチャンピオンシップ獲得に、ホンダの技術と人材が貢献できたことは大きな喜びです。関係者の皆様に心より感謝申し上げます」

「HRCはこれまでの経験を糧に、今後もモータースポーツの発展とホンダの技術革新を推し進めていきます」

ホンダとレッドブル。互いにリスペクトし合い、頂点を極めた両者の関係はここで終了する。だが、彼らがサーキットに残した72勝の軌跡と、数々のドラマが色褪せることはない。

ホンダは2026年より、アストンマーチンF1チームにPUを独占供給する。

ホンダとレッドブル・グループの軌跡(2018年~2025年)

  • 総レース数:172戦
  • 勝利数:72勝
  • 表彰台:141回
  • ポールポジション:51回
  • ドライバーズタイトル:4回(2021, 2022, 2023, 2024)
  • コンストラクターズタイトル:2回(2022, 2023)

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