
レッドブルF1、設計の要クレイグ・スキナーが辞職。中枢人材の流出止まらず
2026年シーズンの開幕をわずか3週間後に控え、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の黄金時代を支えた中心人物の一人であるチーフデザイナー、クレイグ・スキナーが即時チームを離脱することが発表された。
2006年、現アストンマーティン・ホンダのチーム代表であるエイドリアン・ニューウェイと共に英国ミルトンキーンズのチームに加わったスキナーは、20年間にわたりレッドブルの技術部門を支えてきた重鎮の一人だ。
離脱の具体的な理由は公表されていないが、ドイツの専門メディア『Motorsport-Total』によると、この決定はスキナー本人の希望によるものとされる。チームは声明を通じて「クレイグは我々の成功に欠かせない存在だった。これまでのハードワークと献身に感謝するとともに、今後の活躍を祈っている」とコメントした。
後任は明らかにされていないが、チーム内部からの昇進で補われるものとみられる。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブルリンクのガレージ内に立つクレイグ・スキナー(レッドブル・レーシング チーフデザイナー)、2024年6月28日(金) F1オーストリアGP
スキナーは2002年、グラスゴー大学で航空工学の修士号を取得。2006年にCFD(数値流体力学)エンジニアとしてレッドブルに加わると、2018年には空力部門のリーダーへと昇進し、2022年からはチーフデザイナーとして、ニューウェイやピエール・ワシェ(レッドブルのテクニカル・ディレクター)と密接に連携してきた。
レッドブルの屋台骨を支えてきた技術陣の流出は止まらない。ニューウェイの離脱を皮切りに、スポーティング・ディレクターのジョナサン・ウィートリー(現アウディF1チーム代表)、チーフストラテジストのウィル・コートネイ(現マクラーレン)ら、百戦錬磨の幹部が次々とライバル陣営に移籍している。また、昨年には長年チームを率いたクリスチャン・ホーナーの解任もあった。
バルセロナやバーレーンでのプレシーズンテストでは、レッドブルが自社開発した新たなパワーユニットが期待を上回る信頼性とパフォーマンスを示しており、今季型「RB22」に対するパドックの評価も高い。だが、新時代の幕開けを前に、設計の要であるチーフデザイナーまでもが去る事態は、チームの継続的な開発能力に影を落とす可能性がある。