
メルセデス、F1モナコGP再審請求を土壇場で撤回。ラッセル救済の道を自ら閉ざす
メルセデスが、2026年F1第6戦モナコGPのリザルトに対して申し立てていた再審請求を突如として取り下げた。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)に科されたピットレーン速度超過ペナルティの撤回裁定をめぐり、6月20日(土)に予定されていた審理を前に、自ら幕引きを選択した形だ。
メルセデスは、ガスリーへのペナルティを撤回したスチュワードの裁定に不満を抱いていた。
モナコGPでジョージ・ラッセルは、ガスリーと同じようにピットレーン速度違反のペナルティを科され、それをピットストップの際に消化しなかったため、ドライブスルー・ペナルティを科された。その結果、3位表彰台を視野に入れながらも入賞圏外に転落した。
メルセデスは20日(土)の第一部審理において、スチュワードに対して「重要かつ関連性のある新たな証拠」を提示する予定だったが、審理開始まで36時間あまりという段階で申し立てを撤回したことがFIAより発表された。
「チーム・F1にとって有益ではない」請求撤回の理由
もとよりメルセデスは、ラッセル救済の可能性は極めて低いと考えていた。チーム代表を務めるトト・ウォルフは再審理を請求した際、「裁定が覆るとは思っていないが、ジョージのためにやらなければならない」と語っていた。
ただ、請求を撤回したのは裁定を覆せる可能性が低いからといった話ではなかった。
メルセデスは声明の中で、FIAおよびフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)が、一連の問題に積極的に対応する姿勢を見せたことを受け、これ以上の追及はチームにとってもF1にとっても利益にならないと結論づけたことが理由だと説明した。
「FIAおよびフォーミュラ1との建設的な協議を通じて、モナコGPで生じた特異な状況を見直し、その原因となった要因に積極的に対処しようとする彼らの決意が示された」
「この明確な決意を踏まえ、再審理を追求し続けることは、チームにとってもこのスポーツにとっても有益ではないと判断し、申請を取り下げることにした」
メルセデスはまた、再審査請求を申し立てた理由についても説明した。
「ピエール・ガスリーのタイムペナルティが取り消された決定を受け、ピットレーン速度違反ペナルティがジョージのレース結果に与えた影響に対処するため、利用可能なあらゆる選択肢を検討することが我々にとって重要だった」
「バルセロナでのレース週末において、再審請求を申し立てることが可能な時間は限られていた。そのため、その権利を確保するために申請を行った」
騒動は控訴裁判所へ
メルセデスはこの一件から手を引く形となったが、ガスリーの表彰台復帰をめぐる騒動が完全に終わったわけではない。マクラーレンとレッドブルは、この問題をFIA国際控訴裁判所に持ち込む方針だ。
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
モンテカルロ市街地コースを走行するジョージ・ラッセルのメルセデスW17、2026年6月5日(金) F1モナコGPフリー走行(モンテカルロ市街地コース)