
角田裕毅と平川亮、ハースF1の2027年シート獲得の可能性は如何ほどか?
2027年のドライバーラインナップをまだ発表していないハースF1チーム。エステバン・オコンが来季に向けて「フリーエージェント」だと明かす中、レッドブル陣営のリザーブドライバーを務める角田裕毅と、ハースのリザーブを担う平川亮がレースシートを獲得する可能性はどの程度あるのか。
角田は代役参戦で、平川はテストやフリー走行で、それぞれ自身の存在価値をアピールしてきたが、実際の選考ではどの位置にいるのか。F1公式サイトが、特派員兼プレゼンターのローレンス・バレット氏の取材を基に、ハースの候補者たちの現状を伝えた。
角田、代役3戦で再評価も本命には届かず?
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ヘルメットを手に髪をかき上げながらパドックを歩く角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2026年8月20日(木) F1オランダGPメディアデー(ザントフォールト・サーキット)
角田は2021年から2025年までの5シーズンにわたってF1にフル参戦し、昨シーズンは4度のF1王者マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、強豪レッドブルでのドライブも経験した。だが、フェルスタッペンとの差は歴然としていた。
結果、2025年はカタールGPスプリントでの5位が最高成績となり、同年末にアイザック・ハジャーにシートを譲り、今シーズンはテスト兼リザーブドライバーに降格した。一方、ハースが2027年の候補を検討し始めた段階ですでに名前が挙がっていた。
そんな中、手首を負傷したハジャーの代役としてレッドブルに一時昇格したリアム・ローソンに代わり、レーシング・ブルズから直近3戦に出場。初戦のオランダGPを11位で終えると、続くイタリアGPでは10位に入り、今シーズン初ポイントを獲得した。スペインGPでは14位でフィニッシュし、3戦すべてを完走した。
バレット氏は、この3戦での代役出走を通して角田は「非常に安定感のあるスーパーサブとしての走りを見せたことで、再び自身をアピールすることに成功した」と評価した。
一方で、「本格的な候補争いに食い込むだけの十分な勢いを得ているようには見えない」との見方を示した。
平川、テストで高評価も候補外か
Courtesy Of Haas
インタビューに応じる平川亮(ハース リザーブドライバー)、2026年7月16日(木) F1ベルギーGPメディアデー(スパ・フランコルシャン)
一方の平川は、ル・マン24時間レースの日本人最年少総合優勝記録保持者として耐久レースで成功を収めた後、トヨタとの関係を背景に2025年からリザーブドライバーとしてハースに加入。旧型マシンテスト(TPC)やフリー走行1回目(FP1)を通して継続的にF1マシンでの経験を積んできた。
マクラーレンやアルピーヌからもフリー走行に出走した経験を持つ平川について、バレット氏は「情報筋によると、グランプリ週末の若手ドライバー向けフリー走行であれ、TPCテストであれ、ハースのマシンをドライブするたびに非常に競争力のあるラップを刻んできた」と伝えた。
それでも同氏は、「レースシートへの昇格候補として白羽の矢が立つとはみられていない」とし、他に「圧倒的な本命」がいると指摘した。
本命はカマラ、TPCでハース首脳陣を魅了
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
フェラーリのガレージでヘッドセットを着用しモニターを見つめるラファエル・カマラ、2025年11月7日(金) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)
シート獲得に最も近い存在と考えられているのは、フェラーリ育成ドライバーのラファエル・カマラだ。21歳のブラジル人ドライバーは2025年に参戦したFIA-F3選手権を初挑戦で制し、今シーズンはFIA-F2選手権でもタイトルを争っている。
バレット氏によると、カマラはハースのTPCを通してチーム首脳陣に「強い印象」を残した。2016年のF1参入以来、ハースと緊密に協力してきたフェラーリもカマラを高く評価しており、「F1でどこまで通用するのかをぜひ試したいと考えている」という。
同氏はオコンの後任について、「カマラが圧倒的な本命」と記した。
マクラーレンの育成ドライバー兼リザーブを務めるレオナルド・フォルナローリも、ハースのテストで「非常に高いパフォーマンス」を示し、高い評価を得たとされる。
マクラーレン側もフォルナローリのレンタル移籍に前向きだったとされるが、その後の選考ではカマラに後れを取ったという。パフォーマンス以外の要素、すなわち商業的な魅力に乏しい点が弱みとなっている可能性が考えられる。
平川と同じくハースのリザーブを務めるジャック・ドゥーハンもTPCを通して自らを売り込んだが、「シート候補の中で最上位に位置しているとはみられていない」とされる。
Courtesy Of Haas
ヘレス・サーキットのピットレーンに立つレーシングスーツ姿のジャック・ドゥーハン(ハース リザーブドライバー)、2026年9月17日(木) TPCテスト
ハースの小松礼雄代表は現時点で、オコン残留の可能性を除外していないが、バレット氏を含め、パドックではオコンの離脱を決定事項と見る向きが多い。
ハースは既に候補者全員の評価を終えており、チーム内での議論とオーナーのジーン・ハースとの協議を経て、今後2~3週間ほどで来季の体制を最終決定する見通しだ。