
FIA、アルピーヌ再審請求の審理日決定。ガスリーのモナコ表彰台復帰への第一関門
2026年F1第6戦モナコGPでピエール・ガスリーに科されたピットレーンの速度違反ペナルティに対するアルピーヌの再審請求を受け、国際自動車連盟(FIA)は6月9日(火)、第7戦バルセロナ・カタロニアGPの開幕前日となる6月11日(木)に審理を開催すると発表した。
審理は、モナコGPでスチュワードを務めたデレク・ワーウィックらがオンライン会議形式で行い、中央ヨーロッパ時間13時(日本時間20時)に開始される。
ガスリーはモナコGPの決勝で、時速60kmのピットレーン速度制限を2度にわたって超過(時速0.1kmと時速0.4km)したとして、5秒ペナルティを2度科された。その結果、コース上では3位でチェッカーを受けながらも、最終7位へと降格した。
この日はルイス・ハミルトン(フェラーリ)やジョージ・ラッセル(メルセデス)を含む5人のドライバーが同じ違反で処分を受ける異例の事態となった。
アルピーヌが再審を求めたのは、ガスリーに科された2件のペナルティのみで、ほかのチームのドライバーへの処分は対象に含まれていない。
2段階の審理、高いハードル
F1の再審請求の審理は2段階で行われる。11日(木)の第1部でアルピーヌは、「裁定の時点では入手できなかった、重要かつ関連性のある新たな証拠」をスチュワードに示さなければならない。
スチュワードがその証拠を認めた場合に限り、当初の裁定を変更すべきかどうかを判断する第2部の審理へと進む。
ただし、ガスリーの3位表彰台復帰が実現する可能性は低いとみられる。ガスリーの処分を見直すことは、同じく速度制限違反によりペナルティを受けたほかの4名にも影響する可能性があり、レース中に消化済みのペナルティを覆せば、リザルトに大きな混乱が生じることになる。
なお、請求側に課される新たな証拠の立証のハードルは非常に高く、これまでに再審請求が認められたケースは多くない。
ライン取りが平均速度を左右か
1レース中に計6度という異例の多さをめぐっては、その要因がピット進入時のライン取りにあったとする見方が広まっている。ピットレーンは直線ではないため、タイトなラインを取ると必然的に通過時間が短くなり、結果として計測される平均速度が実際の速度より高くなる可能性があるためだ。
ガスリー自身は一貫して違反の事実を否定している。レース直後には、いずれのケースにおいてもピットレーンの速度制限を超過していないことを「200%確信している」と訴え、「僕は何も間違ったことをしていない」と主張した。
もっとも、ガスリーがチェッカーの時点で3位を走っていたこと自体、ラッセルに科された同種のペナルティに端を発した展開の産物だった。メルセデスはラッセルがピットストップした際、5秒ペナルティを消化しないままマシンに触れるミスを犯し、ラッセルはより重いドライブスルーペナルティによって最終的に入賞圏外へと後退した。
アルピーヌは要件を満たす証拠を提出し、第2部審理へと進むことができるだろうか。スチュワードの判断はまず11日(木)の審理で下されることになる。