F1サウジアラビア決勝:注目ポイント、タイヤ戦略考とグリッド
日本時間3月19日(日)26時にスタートを迎える2023年シーズンの第2戦、F1サウジアラビアGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるタイヤ戦略、主な見どころを見ていこう。
スターティンググリッド
第2戦にして早くも5台がパワーユニット交換を行い、その中で予選2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が10グリッド降格ペナルティを受けた。
レッドブル勢はGBX C&C(ケース及びカセット)およびGBX DL(駆動系、ギアチェンジ、補助コンポーネント)を2セット目としているが、これは許容基数内であるため降格の対象外だ。
ローガン・サージェント(ウィリアムズ)は107%ルールに抵触したものの、スチュワードから出走許可を得たため最後尾20番グリッドに着く。
ポールポジションはセルジオ・ペレス。最前列2番グリッドにはルクレールに代わって昇格したフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が並ぶ。
2列目にはジョージ・ラッセル(メルセデス)とカルロス・サインツ(フェラーリ)が続き、角田裕毅(アルファタウリ)は16番グリッドからのポイント獲得を目指す。
以下は暫定のスターティンググリッド。決勝直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | S.ペレス | レッドブル | 1(-) |
2 | F.アロンソ | アストンマーチン | 3(+1) |
3 | G.ラッセル | メルセデス | 4(+1) |
4 | C.サインツ | フェラーリ | 5(+1) |
5 | L.ストロール | アストンマーチン | 6(+1) |
6 | E.オコン | アルピーヌ | 7(+1) |
7 | L.ハミルトン | メルセデス | 8(+1) |
8 | O.ピアストリ | マクラーレン | 9(+1) |
9 | P.ガスリー | アルピーヌ | 10(+1) |
10 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 11(+1) |
11 | 周冠宇 | アルファロメオ | 12(+1) |
12 | C.ルクレール | フェラーリ | 2(-10) |
13 | K.マグヌッセン | ハース | 13(-) |
14 | V.ボッタス | アルファロメオ | 14(-) |
15 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 15(-) |
16 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 16(-) |
17 | A.アルボン | ウィリアムズ | 17(-) |
18 | N.デ・フリース | アルファタウリ | 18(-) |
19 | L.ノリス | マクラーレン | 19(-) |
20 | L.サージャント | ウィリアムズ | NC |
想定されるタイヤ戦略
ジェッダ市街地コースを50周する事で争うF1サウジアラビアGPの最速ストラテジーについてピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、理論的に最も速いのは1ストッパーだと説明する。
コンパウンドの組み合わせとしてはどれも「殆ど変わりない」が、ミディアム(C3)とハード(C2)が他のオプションよりも「僅かに速く」、18~25周目にウインドウが開く。
ソフト・ハード戦略の場合は13~20周目、ミディアム・ソフト戦略の場合は27~34周がタイヤ交換のタイミングとなる。
2ストップ戦略に関してはソフトでスタートし、10~15周目にかけてミディアムに交換。32~38周目にかけて2回目のピットストップを行い、最終スティントでソフトに戻すのが最も速いという。
主な見どころ
フェルスタッペンとルクレールの挽回劇
メカニカルトラブルにより、本来あるべき位置より遥か後方からスタートするフェルスタッペンとルクレールが何処まで挽回できるかが注目される。
レッドブルとフェラーリのペースから判断すると表彰台に到達できるかどうかが見ものだが、ジェッダでのレースは例年荒れるため、タイトル争いを踏まえるとトラブルに巻き込まれないことが何よりも重要だ。
熾烈な表彰台争い
深刻なトラブルさえなければペレスのトップチェッカーは手堅い。注目はポディウムの残る2つの台に誰が上がるのかだ。
フェラーリ、アルピーヌ、メルセデス、アストンマーチンはいずれも高い競争力が期待される。
前回の優勝から10年が経つアロンソの勝利にも期待したところだが、本人が言うように焦点はトップチェッカーではなく、好位置を活かして確実に大量ポイントを持ち帰ることだ。
SC100%神話の行方、中団で笑う者
迫りくる壁、常軌を逸した高速、ハイリスクなサウジアラビアGPはセーフティーカー導入率100%を誇る。
レースが順当に展開した場合、入賞10枠の内の6つは埋まる。レッドブル、フェラーリ、アストンマーチンはポイント獲得は中々に揺るぎない。
残り4枠はメルセデスとアルピーヌが濃厚だが、マクラーレン、ハース、ウィリアムズも虎視眈々だ。最後に笑うのは誰か?
トップスピードが圧倒的に低いという懸念材料はあるものの、特にデビュー2戦目にして初のQ3進出を果たしたオスカー・ピアストリは、ポイントは間違いなく手の届く場所にあるとしている。