アルピーヌF1チーム

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チームデータ

チーム名 アルピーヌF1チーム
国籍 イギリス
本拠地 エンストン
参戦初年度 2021年
WEBサイト www.renaultsport.com
SNS x instagram

アルピーヌF1チーム(Alpine Formula One Team)は、ルノーF1チームを前身とするフランス国籍のF1コンストラクターで、実質的な開発拠点は英国オックスフォードシャー州エンストンに置かれている。現在の名称でのF1参戦開始は2021年シーズンで、運営会社はAlpine Racing Ltd.(旧ルノー・スポール・レーシング)だ。

コンストラクター名は「アルピーヌ」だが、パワーユニットには「ルノー」のバッジが掲げてきた。一方、2025年シーズンを以て伝統の自社製パワーユニット路線を終了し、新規則が導入される2026年以降はメルセデス製パワーユニットを搭載する。

かつて世界王者を生んだワークス系名門の系譜を引き継ぎながらも、アルピーヌは競技力の面で明確に下位グループに位置している。2025年はコンストラクターズ選手権最下位に終わり、ルノー製PUでの最終年を屈辱的な成績で締め括った。

チームの成立と歴史

現在のアルピーヌF1チームは、1981年にトールマンとしてF1参戦を開始した「エンストン系チーム」の直系にあたる。トールマンは1985年までに57戦を戦い、表彰台3回、通算26ポイントを獲得した後、1985年末にベネトンへ売却された。1992年にはファクトリーがオックスフォードシャー州ウィットニーからエンストンへ移され、これが現在まで続く開発拠点となる。

ベネトン時代にはミハエル・シューマッハを擁し、1994年と1995年にドライバーズ選手権を制覇。1995年にはコンストラクターズタイトルも獲得し、チームは初の黄金期を迎えた。2000年にチームはルノーに買収され、2002年から正式にルノーF1チームとして参戦。フェルナンド・アロンソと共に2005年、2006年の2年連続ダブルタイトルを達成し、エンストン系チームは二度目の頂点に立った。

その後、いわゆる2008年の「クラッシュゲート」問題を契機にルノーは段階的に撤退する。これは、当時のチーム代表フラビオ・ブリアトーレとエグゼクティブ・エンジニアリング・ディレクターのパット・シモンズが主導する形で、ネルソン・ピケJr.に対して故意にクラッシュするよう命じたとされるいわゆる事件だ。

事件発覚後、ルノーはチームの大部分の株式をルクセンブルクの投資会社「ジェニー・キャピタル」に売却。残る株式もグループ・ロータスに売却され、チームは2011年よりロータスへと改称された。同年は「ロータス・ルノーGP」を名乗り、ロバート・クビサとヴィタリー・ペトロフを起用するも、開幕前の2月6日、イタリアでのラリー競技中に瀕死のクラッシュに見舞われた事でクビサが契約を全うできない状況となり、ニック・ハイドフェルドが後任についた。

さらに、当時は「ロータス」の名を持つ2チームがF1に存在する状況となり、名称権利を巡る訴訟に発展。2012年より、チーム・ロータスはケータハムF1チームに、ロータス・ルノーGPはロータスF1チームに改称された。だが資金難と不安定な運営が続き、2015年末にルノーが再び買収。2016年からは第二期ルノー・ワークスとして再出発した。

それでも、この期間に優勝を挙げることはできず、ルノーは2020年、グループ全体を「ルノー」「ダチア」「アルピーヌ」「ニューモビリティ」の4ブランドに再編する戦略を発表し、その一環としてF1チームをアルピーヌのプロモーション中核に据える決断を下した。これを受け、2021年シーズンよりチーム名はアルピーヌF1チームへと改称された。

主な戦績・実績(2025年終了時点)

「アルピーヌF1チーム」としての戦績は冴えないが、エンストン系チームはこれまでにコンストラクターズ選手権3回、ドライバーズ選手権4回を獲得。ミハエル・シューマッハとフェルナンド・アロンソという2人の世界王者を輩出している。

アルピーヌとしての初年度となった2021年は、2年ぶりにF1へ復帰したアロンソと、エンストン拠点で2年目を迎えたエステバン・オコンを擁してシーズンを戦い、ハンガリーGPでオコンが優勝。この1勝が現時点でアルピーヌ名義での唯一の勝利となっている。

なお、2021年型マシンには「A521」というシャシー名が与えられたが、これは1975年に製作された試作F1マシン「A500」に由来する命名規則を踏襲したものであった。

2022年以降は表彰台獲得こそあるものの、優勝争いに常時加わる競争力には至らず、2025年シーズンは22ポイントでランキング10位という結果に終わっている。

  • コンストラクターズ制覇:0回
  • ドライバーズ制覇:0回
  • 参戦年数:5年
  • 参戦:114戦
  • 勝利数:1回
  • ポールポジション:0回
  • 表彰台:6回
  • 最前列:1回
  • 最速ラップ:1回
  • リードラップ:4周
  • ポイント:535点

組織体制・運営構造

アルピーヌF1チームの運営主体はAlpine Racing Ltd.であり、母体はルノー・グループである。2021年のリブランド時には、当時ルノー・スポール・レーシングのマネージング・ディレクターを務めていたシリル・アビテブールがアルピーヌ・ブランド全体の統括責任者に就任し、F1チームはグループ戦略の象徴的存在として位置づけられた。

2025年シーズン途中にはチーム代表オリバー・オークスが就任わずか9ヶ月で辞任し、現在は元ルノー黄金期のチーム代表であるフラビオ・ブリアトーレがエグゼクティブ・アドバイザーとして実質的な統括を担っている。対外的な管理責任はレーシングディレクターのデイブ・グリーンウッドが負う体制で、意思決定の中枢と名目上の役職が分離された構造となっている。

技術部門は元フェラーリのデイビッド・サンチェスを中心に再編が進められている。加えて、長年続けてきた自社製パワーユニット路線を終了し、2026年からはメルセデス製パワーユニットを搭載する。

「アルピーヌ」ブランドについて

フランス出身のレーシングドライバー、ジャン・レデレにより設立されたアルピーヌは、ル・マン24時間レースなどで活躍した後、1973年にルノーの傘下に加わった。

1978年のル・マン24時間レースでは、F1ドライバーでもあったディディエ・ピローニが駆るルノーエンジン搭載のアルピーヌ「A442B」が優勝。ルノーに悲願のルマン初優勝をもたらした。

その後、1995年のA610の生産終了を以てアルピーヌブランドは一旦途絶えたものの、2017年に新型A110の発売が開始され復活を遂げた。

アルピーヌ新型A110Courtesy Of Alpine Racing

アルピーヌ新型A110

一時はF1参戦に向けてのプロジェクトが進められていた事もある。

1968年、ゴルディーニV8エンジンを搭載したアルピーヌA350グランプリカーが製作されたが、ザントフォールト・サーキットで行われたテストの結果、400馬力を誇るコスワースV8と比較して100馬力近く遅れている事が判明し、プロジェクトはお蔵入りとなった。