米インディカー・シリーズは「レース界における最大のスペクタクル（The Greatest Spectacle in Racing）」との同社所有の商標（1985年出願）侵害の可能性を巡り、F1の商業権を持つリバディメディア社に対して再度、警告を行う意向がある事を明らかにした。

F1は今年3月、Twitterに投稿したラスベガスGPのプロモーション映像に「地球上で最も偉大なレーススペクタクル」とのキャプションを添えた。当該ツイートは現在、削除されている。

また、批判が相次いだ第5戦マイアミGP決勝レース前のドライバー紹介では、マイクを握ったラッパーで俳優のLL・クール・Jが「モータースポーツにおける最大のスペクタクル」というフレーズを口にした。

マイアミGPの決勝翌日に米「インディ・スター」のインタビューに応じたインディカーを所有するペンスキー・エンターテイメント及びインディアナポリス・モーター・スピードウェイ（IMS）のCEOを務めるマーク・マイルズは次のように述べた。

「レースファンは嘘っぱちだと知っているに違いないと言う思いであれを耳にした。”レース界における最大のスペクタクル”は、あらゆる尺度において5月にここ（IMS）で開催される」

IMSでは毎年5月末に、F1モナコGP、ル・マン24時間レースと並び世界三大レースの一つと称されるインディアナポリス500マイルレースを開催している。

IMSのダグ・ボールズ社長はマイアミでの一件を受け、リバディメディアに対して「丁寧かつ非対審的」方法でコンタクトを取る可能性がある事を認めた。

マイルズは、同社の商標を侵害する可能性のある状況が今後も「続くとは思っていない」と述べ、この問題が法廷に持ち込まれるような深刻な事態に発展するとは考えていない事を強調した。

マイルズはラスベガスGPのプロモーションの一件が発覚した段階で既に、リバティメディアの幹部に非公式の親書を送って中止を求めており、その際に「我々はあなた方にそのような事をする意図はない」との返答を得た事を明かした。