
酷評アロンソに続きハミルトンも。2026年型F1は「モナコ歴代ワースト級」――足並み揃う大ベテランたち
2026年F1第6戦モナコGPの公式予選を終え、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は新世代マシンへの不満を口にした。自身が走行経験を持つあらゆる世代のマシンの中でモナコで走るにはワースト級との評価は、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)のそれと奇しくも一致する。
F1キャリア通算20シーズン、385戦の経験を持つ7度のF1王者は、今年のモナコでのドライビングについて、「ここで走らせてきた歴代のマシンの中では、おそらく最も好きではない部類の一つだと思う」と打ち明けた。
ハミルトンによれば、ダウンフォースの削減と、タイヤメーカーのピレリが課す高いタイヤ最低内圧によって空力およびメカニカルグリップ双方が低下したことが、キャリア初期のマシンよりもこの世代を楽しめないものにしているという。
高内圧が招く究極のグリップ不足
「とにかくダウンフォースがとんでもなく少ないんだ」とハミルトンは語る。「グリップという意味では、本当に一世代分後退したような感じがする。それにタイヤの内圧も超高い。今年はダウンフォースが100ポイントほど少ないにもかかわらず、タイヤの内圧ははるかに高くなっている」
今週末のスリックタイヤの最低スタート内圧は、フロント24psi、リア23psiだ。カレンダーで最も低速のモンテカルロでは、これらの値は他のサーキットより低めに設定されるのが通例だが、それでもハミルトンには高く感じられた。
「昔は16psiくらいで走っていたのに、今は28とか26とか、とんでもない数値になっている。ここではたぶん24くらいだけど、それでもかなり高い」とハミルトンは続けた。
「究極的なメカニカルグリップは、昔とは違う。2007年や2008年にここで走っていた頃を覚えているけど、あの頃はもっとずっとグリップがあった。当時の方がずっと楽しかった」
ただしハミルトンは、ドライビングを楽しめない程、グリップが不足しているわけではないとも語った。
「今日がひどかったわけじゃない。それでも楽しさはあったからね。ただ、歴代のマシンを比べるなら、グリップという意味では、おそらく2020年ごろが僕らにとって最高の時期だったと思う」
大ベテランが揃って嘆く最悪の世代
ハミルトンのこの見方は、アロンソの評価と重なるところがある。
通算430戦、23シーズンにわたって多様なマシンを駆ってきた2度のF1王者は、金曜のフリー走行後に2026年型マシンについて、「僕がモナコで走った中で最悪の世代のマシンだ」と評していた。ただし、その焦点はハミルトンとは異なる。
アロンソが強く問題視していたのは、エネルギー回生システムだった。ブレーキの一貫性を損なっていると指摘し、「ハイブリッドカーでレースをするべきではない」とまで踏み込んだ。
不満の矛先が違うにもかかわらず、現行グリッドを代表する2人の大ベテランが、新世代マシンへの不満で足並みをそろえるような評価を下したことは興味深い。
もっとも、アロンソは「慢性的なアンダーステア」にも不満を訴えているため、ブレーキの一貫性欠如に関する問題が解消されれば、ハミルトンと同じ様に批判の矛先がグリップ不足に集中するであろうことは容易に想像される。
とはいえ、2026年型の車体への評価は一様ではない。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は今季のパワーユニット規則にこそ強く反発しているが、車幅が狭まったこと、そしてホイールディフレクターが取り除かれたことで、モナコでのドライビングに好感触を示しており、新たなシャシー規則に関しては「全然悪くないと思う」と評価している。
2026年F1モナコGP予選では、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がポールポジションを獲得。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はルイス・ハミルトン(フェラーリ)という結果となった。
決勝レースは日本時間6月7日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周3340mのモンテカルロ市街地コースを78周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。