
元マクラーレン・ホンダF1幹部、ラリー界「世紀の契約」の中核へ…WRCプロモーターCEOに就任
かつてマクラーレン・ホンダでF1チームの要職を務めたエリック・ブーリエが、世界ラリー選手権(WRC)と欧州ラリー選手権(ERC)の商業運営を担うWRCプロモーター社の最高経営責任者(CEO)に就任した。国際自動車連盟(FIA)が2026年7月31日(金)に発表した。
この人事は、WRCプロモーター社の買収に伴うもので、FIAはこの契約を「世紀の契約」と位置づけている。ブーリエは、その新体制の中核に据えられた。
Courtesy Of Mclaren
エリック・ブーリエとフェルナンド・アロンソ
「世紀の契約」、WRC新体制を担うCEO
FIAの承認を経て、フランスの自動車テクノロジー企業コスモビリスと、大手プライベート・クレジット投資会社パーク・スクエア・キャピタルがWRCプロモーター社を買収した。これにより、両社はWRCとERCの商業権を取得した。
この発表は、WRCシーズンの目玉の一つであるラリー・フィンランドに合わせて行われた。FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、この契約の意義をこう強調した。
「これはまさにラリーにとって世紀の契約だ。この競技を変革する大きな前進と、過去に例のない規模の投資を発表できることを誇りに思う」
「世界中のファン、競技参加者、加盟クラブに具体的な利益をもたらすだけではない。この投資は、我々の競技が世界的な人気を拡大し続けるなか、その将来に対する信頼を示すものでもある」
コスモビリスとパーク・スクエア・キャピタルは、WRCとERCを次の段階へ引き上げる野心的な計画を掲げている。
ファンを競技の中心に据え、ラリーをさらに刺激的かつ身近、魅力的なものにするという。具体的には、より強力なストーリーテリング、配信体制の強化、新たなマルチプラットフォーム・コンテンツを通じて、ファンがこれまで以上に現場の臨場感を味わえるよう目指していく。
ブーリエは、この新体制のもとで専門家チームを率いるCEOに任命された。
ブーリエ、F1離脱から8年ぶりに要職復帰
Courtesy Of Red Bull Content Pool
FIA記者会見に出席するエリック・ブーリエ(マクラーレン・ホンダ)、トト・ウォルフ(メルセデス エグゼクティブディレクター)、長谷川祐介(ホンダF1プロジェクト総責任者)、2017年7月7日(金) F1オーストリアGPメディアデー(レッドブル・リンク)
ブーリエは、耐久レース、ジュニア・カテゴリー、F1でキャリアを重ねてきた人物だ。2010年にルノーのチーム代表としてF1に加わると、その後ロータスと改名されたチームを2013年まで率いた。
2014年には、レーシング・ディレクターとしてマクラーレンに移籍。だが成績不振の責任を問われ、2018年にチームを追われた。事実上の更迭だった。
F1の第一線を離れてから約8年を経て要職に復帰するブーリエは、今回の新たな挑戦について次のように意気込みを語った。
「熱意と決意、そして謙虚さと強い責任感を持って、私はこの挑戦を引き受ける。この卓越した選手権をさらに魅力的なものにしたい」
「FIAとパートナー各社とともに、世界中のファンを熱狂させる壮大なイベントとして各戦を開催したい。目標は明確だ。WRCとERCを世界最高水準のグローバルブランドとして確立し、現在の技術的、環境的課題と密接に歩調を合わせながら、持続可能な成長の原動力とすることだ」