
バーレーンかサウジか…F1が2026年復活へ探る2案、「史上初の4連戦」も選択肢に
F1のステファノ・ドメニカリCEOは現在、寝る間を惜しんで「残業状態」で働き続けている。4月開催が中止された中東2戦のうちの1戦を、2026年のF1カレンダーに復活させることが可能かどうかを評価しているためだ。
シーズン開幕前夜に勃発したアメリカおよびイスラエルとイランとの軍事衝突を受け、バーレーンGPおよびサウジアラビアGPは中止となり、日本GPとマイアミGPの間に約5週間の空白期間が生じた。
ただし当時、国際自動車連盟(FIA)およびF1は両グランプリについて「4月に開催されない」と語るにとどめ、一定の含みを持たせていた。これは将来的な復活の可能性を残しておくための戦略的な姿勢とみられている。
中東2戦復活の可能性
シーズン後半のスケジュールは密集しており、両グランプリを再び組み込む余地は多くない。それでもF1は、中東情勢の緩和により復活の余地が浮上した場合の選択肢を検討し続けている。
5月7日(木)に行われた第1四半期の業績説明会の中で、F1の商業権を持つリバティ・メディアのCEOを務めるデレク・チャンは、「シーズン終盤に向けて1レースを再スケジュールすることは、可能かもしれない」と述べた。
また、ドメニカリと彼が率いるチームが中東情勢を注視するため「残業状態で取り組んでいる」と付け加えた。
復活の可能性が高いのは、バーレーンとサウジアラビアのどちらだろうか。
4月の開催に向けてすでに準備が進められていたこともあり、必要機材が同国にあることなどから、バーレーンが一歩優勢とみられている。だが一方で、サウジアラビア側も復帰に向けてF1に強く働きかけていると考えられている。
再編不要の10月開催案
両グランプリのうち1戦を復活させる現実的な選択肢は、現状で2つある。そのうち1つは、他のイベントの再編を必要としない。
1つ目の案は、9月26日のアゼルバイジャンGPと10月11日のシンガポールGPの間にある10月2〜4日の週末を利用してバーレーンないしはサウジアラビアGPを開催するというものだ。
ホスト国側の準備期間と、チームを含めたF1関係者側の負担とのバランスが課題となるが、既存スケジュールの再編が不要という点で、第2案より実現可能性は高いとみられる。
ただし、遅くともF1がサマー・ブレイクに入る前段階で中東情勢の混乱が収束する見通しが立っていることが条件となるだろう。
「史上初の4連戦」を伴う最終戦再編案
中東情勢が改善せず第1案が頓挫した場合、より現実的なハードルが高い第2案が本格的に検討される見通しだ。
現状、今季の最終3戦は11月21日のラスベガス、11月29日のカタール、そして12月6日のシーズンフィナーレとなるアブダビが予定されている。
第2案は、アブダビの開催が予定されている12月6日にサウジアラビアまたはバーレーンを復活させ、アブダビを1週間後の12月13日にずらすというものだ。これは、F1史上初となる4連戦を意味する。
4連戦は主にロジスティクスの面で大きな課題となるが、サウジアラビアの開催権料はカレンダーの中で最高水準とみられており、困難を承知で組み込むだけのインセンティブがF1側にはある。
一方で、中東情勢がシーズン後半までに改善しない場合、カタールGPおよびアブダビGPの開催も危ぶまれることになる。ドメニカリは、開催の可否を判断するためのデッドラインが存在することを認めている。