
アストンマーティン・ホンダB仕様の「極端な二面性」――ライバルが示した敬意と遅さ
フランコ・コラピント(アルピーヌ)は、アップグレードされたアストンマーティン・ホンダのAMR26について、コーナリング速度を高く評価する一方、ストレートでは「本当に遅い」と指摘した。
2026年F1第11戦ハンガリーGPで投入されたBスペックのAMR26は、重量削減と空力の刷新によりコーナリング性能で劇的な改善を果たした。だが同時にマシンの弱点をより際立たせ、両極端な二面性を露呈させた。
コラピントが指摘した両極端な二面性
これまでアストンマーティン・ホンダの主なライバルだったキャデラックは、週末に入る時点でBスペックの脅威を十分に認識していた。だが、週末を通して警戒を強めたのはキャデラックだけではなかった。
レース序盤のフェルナンド・アロンソとのバトルを通してBスペック版AMR26を間近で観察したコラピントは、コースの各区間で見せたその異質な挙動に関心を示した。
「彼らはコーナーで本当に力強く見える。その一方でストレートでは本当に遅い。かなりのラップタイムを失っていた。でもコーナーでは、間違いなく僕らより遥かに速い」
Courtesy Of Alpine Racing
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)を抑えて先行するフランコ・コラピント(アルピーヌ)、2026年7月26日(日) F1ハンガリーGP決勝
コラピントの指摘は、実際の数値でも裏付けられた。レース中のスピードトラップで、フェルナンド・アロンソは334.6km/hで18番手、ランス・ストロールは333.3km/hで19番手にとどまった。
対照的に、コラピントは340.0km/hで2番手につけた。トップは346.8km/hを記録したカルロス・サインツ(ウィリアムズ)だった。この2人を含むトップ5は、いずれもメルセデス製パワーユニット(PU)勢だった。
セットアップ選択を含むマシンの空気抵抗レベルや、当時の搭載燃料量、トウの有無など多くの変数が影響するため、こうした差を単にPU性能だけで説明することはできないが、AMR26がストレートで遅かったことは確かだ。
一方、コーナリング性能の高さについては、別の指標に表れた。アロンソはファステストラップで1分23秒679を記録し、全体の9番手に入った。トップのシャルル・ルクレール(フェラーリ)との差は1.679秒だった。
アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は、アストンマーティン・ホンダに「敬意を払わなければならない」と語り、ストレート区間が少なくコーナリング性能が重視される今季の残りのレースでは「アストンが最速になりそうな感じがする」と指摘した。
ホンダPUに託された、ストレート速度改善
依然としてストレートで遅いという事実は、コラピントやアルボンだけでなく、バルテリ・ボッタス(キャデラック)やオリバー・ベアマン(ハース)も指摘しており、チーム自身も自覚している。
ストロールは予選後、エンジン性能で多くを失っていると指摘し、決勝後にはアロンソも、レースで戦えるようになった今こそ、ストレートでのさらなる速さが必要だと強調した。
この弱点を幾らか和らげる可能性があるのが、次戦オランダGPで投入されるホンダのPUアップグレードだ。この新たなスペックは、ハンガロリンクで7月29日(水)に予定されているフィルミング・デーで初めてコースデビューを果たす。
この新型PUについて、ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは、車体側のアップグレードが明確な前進を示したことを受け、プレッシャーを感じていると認めつつ、チームとしてさらに前進するためには「パワーユニットでラップタイムの向上をもたらさなければなりません」と強調した。
前進した車体にホンダ側の追加パワーが組み合わさったとき、アストンマーティン・ホンダは中団グループの勢力図を本格的に塗り替える存在になるだろうか。